1957年に開設した南極大陸にあるニュージーランドの観測基地「スコット基地」に代わる新観測基地を設置するというプロジェクト。8つのモジュールに分割した状態で南極大陸まで運ぶという。海上運搬を行うのはBigLift Shippingが所有する重量物運搬船「BigLift Baffin」。2027年1月に南極大陸へ運ぶ予定。
南極大陸にニュージーランドの新観測基地を運搬するプロジェクト
BigLift to deliver Scott Base research station Antartica
(BigLift が南極大陸のスコット基地研究ステーションを配達)
https://www.bigliftshipping.com/en/latest/biglift-to-deliver-scott-base-research-station-antartica
1957年に開設した南極大陸にあるニュージーランドの観測基地「スコット基地」に代わる新観測基地を設置するスコット基地再開発プロジェクト。
設置方法は、3つの建物を8つのモジュールに分割した状態で製作し、重量物運搬船「BigLift Baffin」に積み込んで運ぶというもの。
それぞれのモジュール重量は約800トン。
積込に使用するのは、MammoetのSPMT(Self-Propelled Module Transporter)と呼ばれる重量物運搬車両。
2023年半ばからニュージーランドのティマルー(Timaru)で新観測基地のモジュール建設が開始される予定で、テストや試運転を含め期間は3年半かかるそうです。なのでモジュールが完成するのは2026年末くらい。
そして、2027年1月に重量物運搬船「BigLift Baffin」へ搭載してスコット基地がある南極大陸まで海上運搬。ニュージーランドのティマルーから南極大陸のスコット基地までは3,720km、約2,000マイル。「BigLift Baffin」のサービス速力は13ノット(最大速力15ノット)。
【運搬にかかる所要日数】 2,000マイル ÷ 13ノット ÷ 24時間 = 6.4日
運搬には、およそ1週間くらいかかる。
耐氷能力を備えた重量物運搬船「BigLift Baffin」
BigLift Shippingが所有する重量物運搬船「BigLift Baffin」。2016年に建造され、船体寸法は全長173m、幅42m、深さ12m、設計喫水5.5m、総トン数23,134トン。
貨物を搭載する甲板スペースは長さ125m、幅42m、面積は5,250m2。過去には「Sleipnir」向けに製造された長さ144mのブームを運搬した実績がある。
甲板強度は20トン/m2あり、載貨重量トン数は20,675トン。最大速力は15ノット、宿泊設備は最大60人分を備えている。
耐氷能力を示すアイスクラスは、Finnish-Swedish Ice Classと呼ばれる冬季バルト海航行船舶のためのフィンランド及びスウェーデンが定める要件で「IA」という上から2番目の階級。
他の機関によるクラス分けとして、国際船級協会連合(IACS)の極地氷海船階級(Polar Class)があります。こちらはPC1を筆頭にPC7までの7段階に分類。先程のFinnish-Swedish Ice Class「IA」は最も耐氷性能が低いPC7と同等。対応している海域の条件として、時期は夏秋で多年氷が一部混在し、薄い氷がある海域。
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