石巻沖で見つかったクジラの撤去作業、沖合へ曳航し重りで沈める

石巻沖で見つかったクジラの撤去作業、沖合へ曳航し重りで沈める 国内ニュース
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石巻沖で見つかったクジラの撤去作業、沖合へ曳航し重りで沈める

2023年11月16日午後、宮城県石巻沖で発見されたクジラの撤去作業がおこなわれ、船で底引き網の影響がない沖合まで曳航されて重りを付けた状態で沈める予定だという。

クジラは石巻市の狐崎漁港から3kmの位置にある定置網に引っ掛かった状態で死んでいるところを11月15日朝に発見されていました。クジラの体長は10mを超え、ヒゲクジラ類とみられているそうです。発見されてから一夜明けた16日には腐敗が進んだ影響なのか、クジラのお腹部分はパンパンに膨れ上がっていました。

死んだクジラを放置すると腐敗によりガスが溜まったお腹が破裂し、クジラの油が養殖業に影響することなどから、宮城県は処理方法について協議。その結果、発見場所からおよそ20km東の金華山沖に沈めることを決めたという。

沖合まで曳航された後に、体の中にたまったガスを抜き砂利などが入った重り、最大1.6トンを付けて沈めるということでしたが、上手く沈めることが出来るのでしょうか。考えてみると意外に難しい作業のような気がします。

2023年1月に大阪湾へ迷い込んだ「よどちゃん」の場合は、コンクリート製のブロックを胴体にグルグル巻きで固定した上で底開式の土運船を使用して沈めていました。今回はクジラの尾びれに曳航ロープを取り付けて漁船で曳航する様子が報道されていましたが、どのようにして重りを取り付けるのでしょうか。

クジラを沈める沖合の場所に到着した後、クジラの体内にたまったガスを抜くと自重で沈んでしまう恐れがある。砂利の入った重りという情報から大型土嚢に砂利を入れた重りが想定されますが、漁船に搭載されているユニックなどを使用しても大型土嚢を吊り下ろしながら固定する場所の少ないクジラの体に固定する作業は非常に危険な気がします。実際は、クレーン付き台船などのクジラと重りの重量を十分に保持する能力を持った母船がいたのかもしれません。

いずれにしても、すでに死んでしまっているクジラを助けることは出来ないので、せめて周辺漁業施設などへの影響が出ない方法で処理が進んで欲しいと思いました。大きなクジラを沈める作業を簡単に考えていると船の転覆などが予想され、意外と危険な作業になるような気がするので注意が必要かもしれません。

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近くの女川町では起重機船「海翔」の架設作業

狐崎漁港から沖合3kmの定置網でクジラが発見された場所の近くに位置する女川町では、まさにクジラが発見された11月15日から出島架橋事業の中央径間架設に向けたヤードでの吊り上げが開始された日。

そして、クジラを沈めるために沖合へ曳航が開始されたのは11月16日の14時半頃。同じ日の女川町では早朝から起重機船「海翔」による架設作業が開始されており、順調に作業が進んで昼12時過ぎには所定の位置へ架設が完了して玉掛け解除の作業に入っていました。

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