国連主導によるイエメン沖のFSO「Safer」原油抜き取り開始

国連主導によるイエメン沖のFSO「Safer」原油抜き取り開始 石油プラットフォーム
スポンサーリンク

国連主導によるイエメン沖のFSO「Safer」原油抜き取り開始

Boskalisの掲載記事

Tuesday 25 July – Start of oil transfer from the FSO Safer to the replacement oil tanker

(7月25日火曜日 – FSO Saferから代替石油タンカーへの石油輸送の開始)

https://boskalis.com/safer

2023年7月25日 10時45分(現地時間)、イエメンの紅海沿岸から約9km沖合で停泊したままになっている全長362mのFSO「Safer」に積まれた原油を抜き取る作業が開始されました。船内には約114万バレルの原油が残っており、抜き取り作業には2~3週間かかると予想されている。FSO(Floating Storage and Offloading system)とは、浮体式海洋石油・ガス貯蔵積出設備のことで石油・ガスの生産設備を持たない貯蔵・積出専用の設備。

FSO「Safer」はイエメン紛争により2015年以降、維持管理がされておらず老朽化が進み船内に積まれた油の流出や最悪の場合、爆発する可能性があり環境への影響が懸念されていました。今回のプロジェクトは、潜在的な環境被害を回避するため国連主導で進められているそうです。

FSO「Safer」

FSO「Safer」は元々、1976年5月にエクソン傘下の企業が日本の日立造船で建造したタンカー「Esso Japan」。その後、1986年にイエメンの国営石油企業に売却されたあと、1987年にタンカーからFSOへの改造がおこなわれ船名も現在の「Safer」に変更。400km離れた内陸の油田とパイプラインで接続し、産出した原油を貯蔵するとともに輸送するタンカーへの積み出しをおこなうFSOとして使用されていた。

船名Safer
総トン数192,673トン
載貨重量トン400,219トン
長さ362.0m
70.0m
深さ28.12m
全長362mのFSO「Safer」
出典:Boskalis
スポンサーリンク

多目的支援船「Ndeavor」による準備作業

多目的支援船「Ndeavor」
出典:Boskalis

FSO「Safer」の原油を抜き取るための準備をおこなうため、2023年5月29日にBoskalisの多目的支援船「Ndeavor」は、紅海を挟んで対岸のアフリカ大陸にあるジブチを出港。翌日の5月30日、FSO「Safer」に到着した「Ndeavor」はまず、船内での作業が可能かどうかを判断するため様々なガス測定をおこない船内ガスの有無と濃度を確認。

場所によっては必要な保護具を着用し、船内の検査をおこなった上で貨物タンク内に不活性ガスを充填させる作業や原油抜き取りに向けた船上係留設備の状態を確認・整備したり、潜水作業による水中での船体検査を実施。万が一の油流出に備えてオイルフェンスの展張もおこなわれた。

スポンサーリンク

原油約114万バレルの抜き取りに2~3週間

国連主導によるイエメン沖のFSO「Safer」原油抜き取り開始
FSO「Safer」に係留した多目的支援船「Ndeavor」とVLCC「Yemen」
出典:Boskalis

今回のプロジェクトでFSO「Safer」から抜き取る原油は、約114万バレル。馴染みのないバレルという単位ということもあり、船体の大きさから相当な量であることは想像できますが、実際どのくらいなのかはよく分からない。

バレル (barrel) またはバーレルとは、ヤード・ポンド法における体積を表す単位。語源は「樽」。その容積に由来する。国際的に原油や各種の石油製品の計量、売買は主にバレルで行われますが、用途や国によって多数の定義があるという。石油用のバレルは、158.987294928リットル。

114万バレルは、どれくらいの量?

1バレル=158.987294928リットル

114万バレル=181,245,516リットル=181,246m3

114万バレルを立方メートルに換算すると181,246m3。よく体積の例えで用いられる25mプールの水量に換算すると、302杯分。

25mプールの水量に換算 181,246m3 ÷ 600m3 = 302杯分

※25mプールの水量:25m×16m×1.5m=600m3

25mプールの水量に換算してもスゴイ量というだけであまりピンとこない結果に。

原油抜き取り作業は2~3週間かかるという事なので、平均すると1日当たり25mプール 14杯分~22杯分の原油を毎日移送する計算になる。こちらの例えの方が作業の過酷さが伝わりやすい気がします。

スポンサーリンク

抜き取った原油を運ぶVLCC

抜き取った原油を運ぶ「Yemen」(NAUTICA)は、全長333mのVLCC(Very Large Crude Carrier)と呼ばれる載貨重量トン数30万トン級の超大型タンカー。原油の比重は、0.8~0.98なので抜き取る原油の重量は、14万5,000トン~17万8,000トン。なので抜き取った原油の全量を積載できる。

船名Yemen
(NAUTICA)
総トン数158,513トン
載貨重量トン307,284トン
長さ333m
58m
建造年2008年
VLCC「Yemen」(NAUTICA)
出典:FleetMon | SGshipspotter
スポンサーリンク
世界のサルベージ オペレーション

来島海峡で水深60mの海底に沈んだ全長約170mの「白虎」引き揚げをはじめ、日本国内でも多くのサルベージオペレーションがおこなわれています。
世界各地で実施されている困難なサルベージの数々を紹介。

スポンサーリンク
SEP起重機船 世界ランキング 2023

世界的な再生可能エネルギーへの転換に伴い、洋上風力発電の建設は勢いを増すばかり。
風力タービン設置の専用船ともいうべきSEP起重機船も数多く建造され、大型化する洋上風車に対応するべく既存船アップグレードがおこなわれている。
世界のSEP起重機船56隻のランキングに加えて新造船22隻の建造情報を一覧で紹介。

Crane1000をもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む

タイトルとURLをコピーしました