スコットランドで建設中のNeart na Gaoithe offshore wind farm(NnG)で洋上風車基礎ジャケットの設置が開始された。設置を行うのはHeerema社が所有する6,300トン吊りクレーン船「Balder」。
NnGでBalderによる洋上風車基礎ジャケットの設置開始
スコットランド東にあるファイフ海岸(Fife coast)から東へ15.5kmの場所に建設中のNeart na Gaoithe offshore wind farm(NnG)で洋上風車基礎となるジャケットの設置が開始されたようです。
設置を行うのは、オランダのHeerema Marine Contractorsが所有する6,300トン吊りクレーン船「Balder」。2基のクレーンを搭載していますが、左右のクレーンはそれぞれ大きさが違い、吊り上げ能力は3,700トンと2,600トン。
「Balder」は1978年に日本の三井造船で建造された世界初の半潜水式クレーン船。2018年に解体された「Hermod」と姉妹船。建造から44年が経過していますがまだまだ現役。
Neart na Gaoithe offshore wind farmの概要
「Neart na Gaoithe offshore wind farm」のホームページを確認すると風車基礎のジャケットと洋上変電所基礎のジャケット及びトップサイド設置を請け負っているのは Saipem のようですが、今回始まった風車基礎のジャケット設置は「Balder」、洋上変電所の設置は2022年に「Sleipnir」で行われています。
8MWの風車タービン設置は「Blue Tern」
2022年内中に開始される8MW風車タービン設置はSEP起重機船「Blue Tern」で行われる予定。
Fred. Olsen Windcarrierが所有する800トン吊りSEP起重機船「Blue Tern」は「Neart na Gaoithe offshore wind farm」での作業に向けてブームの延長を行っている。
Fred. Olsen Windcarrierは3隻のSEP起重機船を保有していますが、それぞれをアップグレードする予定。3隻のうち「Bold Tern」のアップグレードは2022年6月に完了、主なアップグレード内容はクレーン能力増強とブーム延長。それに伴ってレグや船体の補強も行っています。2024年には「Brave Tern」に同様のアップグレードを行う予定。
船名 | クレーン能力 | 主なアップグレード内容 | アップグレード時期 |
Bold Tern | 1,600トン | 【クレーン能力増強】 800トン → 1,600トン | 2022年6月完了 |
Brave Tern | 800トン | 【クレーン能力増強】 800トン → 1,600トン | 2024年完了予定 |
Blue Tern | 800トン | 【ブーム延長】 12m延長して全長108m | 2021年完了 |
全船を一律にアップグレードするのではなく、1隻は揚程だけアップグレードするというのは、なかなか効率的な船舶采配だなと思いました。
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