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巨大な変換プラットフォームは海底に沈めて着底させる重力式

巨大な変換プラットフォームは海底に沈めて着底させる重力式 洋上風力発電
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巨大な変換プラットフォームは海底に沈めて着底させる重力式

Aibel の掲載記事【2023年10月16日掲載】

DolWin epsilon platform on its way to Haugesund

(DolWin epsilon プラットフォームがハウゲスンに向かう)

https://aibel.com/news/dolwin-epsilon-platform-on-its-way-to-haugesund

2023年10月15日、TenneT の DolWin5プロジェクトの一環として、Aibel と Seatrium のコンソーシアムによって構築されされたDolWin epsilon変換プラットフォームが、シンガポールにあるSeatriumの造船所を出港し、最終的な技術設備を搭載するためノルウェーのハウゲスンへ向かいました。

とても大きなプラットフォームは、長さ82m、幅73m、高さ84m。最終的な重量は、下部12,100トン、上部11,450トン、合計23,550トンにもなるという。一見すると浮体式洋上変電所なのかとも思いましたが、設置時はプラットフォーム下部に注水して沈めることで水深31mの海底に着底させるそうです。そして、据え付け後に注水した水は砂利に置き換えられて設置が完了するという。

いわゆる重力式のプラットフォームで非常に珍しいタイプですが、「DolWin beta」と呼ばれる今回の「DolWin epsilon」が設置されるドイツ沖合の北海で2015年に設置済のプラットフォームも同じ重力式で海底に着底させるタイプでした。形状的には「DolWin beta」のほうが大きい。

名称DolWin epsilonDolWin beta
長さ82m100m
73m70m
高さ84m100m
重量23,550トン23,000トン
設置海域の水深31m29m
2015年 「DolWin beta」設置作業の様子
出典:ABB
「Pioneering Spirit」が作業する横にあるのが「DolWin beta」
出典:TenneT
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半潜水式重量物運搬船「MIGHTY SERVANT 1」で運搬

さすがに浮いているとはいえ巨大なプラットフォームをシンガポールからノルウェーまで曳航するのは無理なので、Boskalisの半潜水式重量物運搬船「MIGHTY SERVANT 1」に積んで運搬。

半潜水式重量物運搬船「MIGHTY SERVANT 1」は、長さ約190m、幅50m、載貨重量トン数は40,910トン。半潜水時の最大喫水は、船首側で21.38m、船尾側で26m。そして、1983年に建造されていますが、驚くことに「MIGHTY SERVANT 1」を建造したのは、日本の長崎県にある大島造船所。なんと、メイド イン ジャパンでした。

船名MIGHTY
SERVANT 1
総トン数29,193トン
載貨重量トン40,910トン
長さ190.03m
50.00m
深さ12.00m
建造年1983年
建造場所大島造船所
半潜水式重量物運搬船「MIGHTY SERVANT 1」
出典:Boskalis

シンガポール → ノルウェー約23,700kmを運搬

シンガポールからハウゲスンへの航行経路

シンガポールからノルウェーにあるハウゲスンまでの航行距離は約23,700km(約12,800海里)。スエズ運河から地中海に抜けるルートが最短距離になりますが、高さ84mの「DolWin epsilon」を積載しており、スエズ運河に架かるスエズ運河橋(高さ制限68m)を通航できないためアフリカ大陸南側の喜望峰を通るルートで運搬。

運搬にかかる日数はおよそ60日間。12月下旬にノルウェーのハウゲスンにあるAibelのヤードに到着する予定。その後、日立エナジーのHDVC技術を搭載したコンバーターや変圧器などが設置されるという。

名称パナマ運河スエズ運河
船の長さ366m制限無し
高さ制限57.91m68m
喫水18m20.1m – 12.2m
51m50m – 77.5m
パナマ運河とスエズ運河の制限サイズ
スエズ運河橋
出典:Wikipedia | U.S. Navy photo by Mass Communications Specialist 2nd Class Pedro A. Rodriguez (RELEASED), パブリック・ドメイン, リンクによる
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設置場所への運搬は2024年夏の予定

DolWin5洋上送電網接続プロジェクトの概略図
出典:TenneT

最終的な洋上への設置は2024年夏に予定されています。

「DolWin epsilon」は、ØrstedとGlennmont Partnersが開発するBorkum Riffgrund West 1、West 2、OWP Westという3つのプロジェクトが名称変更された「Borkum Riffgrund 3」と呼ばれる洋上風力発電所で発電した電力を送電するという。

「Borkum Riffgrund 3」ではSiemens Gamesaの11MW風力タービン「SG 11.0-200 DD」83基の設置が計画されており、総発電容量は913MW。2025年に運転開始予定。

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