スペインのフェネでSaint-Brieuc洋上風力向けジャケットの内、最初の4基が運搬台船に積込されました。
Saint-Brieuc洋上風力発電所

Saint-Brieuc洋上風力発電所はフランスのサン・ブリュー湾に建設中の着床式洋上風力発電所。名称のサン・ブリューはフランス北西部の突き出た半島にある都市で、ブルターニュ地域圏(ブルターニュ地方)コート=ダルモール県の県庁所在地。
現地での建設作業は2021年5月から開始されており、ジャケット設置前の先行杭をVan Oordが所有するSEP起重機船「Aeolus」が行っている。先行杭の設置は2021年と2022年に行い、ジャケットの設置は2022年に行う予定。稼働予定は2023年。
サン・ブリユー湾は、潮流が速く、大西洋のうねり、高波の影響を強く受けるという地理的要因から海上作業は3月から10月の間のみ可能。冬場は施工不可。日本でいう日本海側の海象条件と似ています。
- 設置位置:フランス サン・ブリュー湾、最寄の風車は海岸から16.3km
- 発電容量:Siemens Gamesa SG 8.0-167 DD、8MW×62基=496MW
- 風車基礎:着床式、先行杭(プレボーリング)ジャケット式
- 風車形状:ローター直径 167m、ブレード長さ 81.4m、全高 207m
「Aeolus」が設置する先行杭は風車用と変電設備用。風車用は3本×62基=186本、変電設備用は4本。合計190本。
ジャケットの積込

今回積み込みされたジャケットは62基の内、最初の4基。
ジャケットは重量1,150トン、高さ75m。
積込に使用されている運搬台船は「Sarens Caroline」。全長122m、幅36.6m、深さ7.6m、総トン数9,113トン、載貨重量トン数19,543トン。甲板は排水勾配が無いフラットトップデッキ。

ジャケットの設置方法
ジャケット設置方法は先行杭3本/基を打設した後にジャケットを設置するという流れ。
- 先行杭打設場所にガイド(テンプレート)を設置
- ケーシングをセット
- ケーシング内を掘削
- 先行杭を建て込み
- ガイド材でケーシングを抜きながらグラウトを充填
- ケーシング、ガイド材撤去して先行杭設置完了
先行杭を打設する位置にガイド材を設置。詳細は書かれてないですが、海底面の不陸に応じて水平を保持する機能がガイド材にあるのかも。




そのままの状態で充填するとケーシングが抜けなくなるのでガイド材で引き抜きながらグラウトを充填していく。このガイド材、万能ですね。


やっぱり動画で見るのが一番理解しやすい。
変電設備の積込も開始

出典:energyfacts
「Saint-Brieuc」変電設備の基礎ジャケット(重量1,600トン)とトップサイド(重量3,400トン)の積込は2022年6月11日に完了。それぞれ、オランダのHeerema Fabrication、ベルギーのHobokenで運搬台船に積込。

6月下旬ころに回航予定で、その後に現地での設置される見込み。
変電設備の設置は、吊上げ能力世界第3位の14,000トン吊り「Saipem7000」で行う予定。
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