Jan De Nulが建造している完成すればSEP起重機船としては世界最大となる「Voltaire」。搭載されているクレーン能力は3,000トンかと思っていましたが、3,200トンかもしれないという情報。中国のニュース記事がソースなので確定ではありません。
世界最大のSEP起重機船「Voltaire」は3,200トン吊りかも
中国で建造されているJan De NulのSEP起重機船「Voltaire」。SEA TRIAL(海上公試)も完了し、引き渡しへ向けて秒読み段階でしたが、9月に台風12号(ムイファー)の直撃によりクレーンとヘリデッキに損傷を受けた影響で少し遅れがでているようです。ですが、Jan De Nulのホームページでは2023年春に予定されているDogger Bank Wind Farmでの風車タービン GE Haliade-X の設置開始には間に合うという記載があります。
SEP起重機船「Voltaire」のクレーン能力
SEP起重機船「Voltaire」のクレーン能力についての書かれている記事は、中国の船海装備網(SHIPOE.COM)というサイトの2022年8月20日の記事。
全球首艘起重能力最大第四代自升式风电安装船完成插桩、全行程登顶和吊重试验
(世界初の第4世代ジャッキアップ式風力発電搭載船で世界最大の揚重能力を発揮 杭挿入・全開登頂・揚重試験を完了)
全球首艘起重能力最大第四代自升式风电安装船完成插桩、全行程登顶和吊重试验_船海装备网-船舶设备网-海洋工程网-船舶网 (shipoe.com)
少し古い記事ですが、タイミングとしては「Voltaire」のSEA TRIAL(海上公試)が無事に終わった後くらい。記事の中では具体的な数字をあげてレグのジャッキアップテストやクレーン荷重試験などの様子を伝えています。
在为期两周的试航作业结束后,8月12日8时,启东中远海运海工N966项目准时到达山东威海指定水域插桩,8月14日完成插桩和预压载试验,8月15日完成全行程升降试验,8月16日完成主吊机空钩收放试验,8月17日完成主吊机3520吨超载试验,8月18日完成主吊机1497吨全回转试验。
(2週間の試験作業の後、8月12日午前8時、東中遠海運N966プロジェクトは、山東省ウェイハイの指定海域に時間通りに杭を植え、8月14日に杭打ちとプレロード試験を完了し、8月15日に全ストロークリフト試験を完了し、8月16日にメインクレーンエアフックの回収試験を完了し、8月17日に3520トンのメインクレーン過負荷試験を完了し、8月18日にメインクレーンの1497トンのフルスイング試験を完了しました。)
全球首艘起重能力最大第四代自升式风电安装船完成插桩、全行程登顶和吊重试验_船海装备网-船舶设备网-海洋工程网-船舶网 (shipoe.com)
この記事によると、「Voltaire」のメインクレーン過負荷試験で吊り上げた重量は3,520トン。過負荷試験は、最大吊り上げ荷重の1.1倍を吊り上げているので逆算するとクレーン能力は3,200トン。ここまで数字を上げているのでかなり信頼性は高いような気がします。
スペックシートの記載は ”3,000トン以上”
Jan De Nulのホームページにある「Voltaire」のスペックシートを確認すると、3,000トン以上という表記。なので3,200トンになったところで何も問題はなく、むしろ最初から3,000トンより大きなクレーン能力になることが前提だったようです。ただ、確認した中ではホームページ上に3,200トン吊りという記載はありませんでした。
Max. Crane Lifting Capacity ・・・ more than 3,000 t
(最大クレーン吊り上げ能力 ・・・ 3,000トン以上)
搭載されているクレーンはHuisman製。現在、「Voltaire」と同じ中国で建造されているVan Oordの3,000トン吊りSEP起重機船「Boreas」もHuisman製のクレーンを搭載する予定。こちらも、もしかすると3,200トンになるかもしれませんね。
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