クレーン船「Les Alizés」による「Gode Wind 3」洋上変電所設置
デンマークのØrstedによって開発が進められているドイツの着床式洋上風力発電所「Gode Wind 3」で洋上変電所の設置が完了。設置をおこなったのは、ベルギーの Jan De Nul が所有する5,000トン吊りクレーンを搭載した次世代浮体式洋上設置船「Les Alizés」。
設置した洋上変電所のトップサイドはとても巨大なものですが、それよりも「Les Alizés」に搭載されたクレーンの大きさが際立っているように見える。
現在「Les Alizés」は、「Gode Wind 3」と「Borkum Riffgrund 3」で風力タービン基礎106本、洋上変電所基礎1本の計107本のモノパイル設置をおこなっており、その作業の中で洋上変電所設置がおこなわれたようです。「Les Alizés」は、2023年1月に完成・引き渡しされてから初めての現場となる。
トップサイド重量は1,900トン
Une cargaison d’un poids total de 2250 tonnes, soit 1900 tonnes pour le topside et 350 tonnes pour la pièce de transition
(総重量が 2,250 トンの貨物、つまりトップサイドが 1,900 トン、トランジションピースが 350 トン)
https://www.meretmarine.com/fr/energies-marines/les-chantiers-de-l-atlantique-livrent-la-sous-station-du-parc-gode-wind-3-en-mer
洋上変電所のトップサイドは、フランスのアトランティーク造船所で製造。Ørstedの掲載記事では重量の記載はありませんでしたが、製造完了して出荷された時の報道記事によるとトップサイドの重量は1,900トン、モノパイルに被せているトランジションピースは350トン。
拠点港はエームスハーヴェン
「Les Alizés」のAIS情報を確認すると、オランダのエームスハーヴェンに停泊中でした。作業場所からも近いので拠点港にしているものと思われる。
停泊している岸壁の同じ並びには、オランダ沖を航行中に船倉から火災が発生した全長約200mの自動車運搬船「FREMANTLE HIGHWAY」も停泊しています。沖合で火災鎮火が確認された後、エームスハーヴェンへ入港し、貨物として積まれていた車両の搬出や事故調査が今もおこなわれています。
「Gode Wind 3」と「Borkum Riffgrund 3」
デンマークのØrstedによって開発が進められているドイツの着床式洋上風力発電所「Gode Wind 3」と「Borkum Riffgrund 3」。ともに2023年夏の着工が予定されており、風力タービンはSiemens Gamesaの出力11MW「SG 11.0-200 DD」を合わせて106基設置する。運転開始の予定は規模の小さい「Gode Wind 3」(242MW)が2024年、「Borkum Riffgrund 3」(900MW)が2025年となっている。
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