世界最大「Sleipnir」がSofia洋上風力で洋上変電所設置

世界最大「Sleipnir」がSofia洋上風力で洋上変電所設置 洋上風力発電
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世界最大「Sleipnir」がSofia洋上風力で洋上変電所設置

RWEは、イギリス沖の北海で建設している「Sofia Offshore Wind Farm」で洋上変電所(offshore converter platform)の設置を完了したと発表。設置作業をおこなったのは、Heerema Marine Contractorsが所有する世界最大のクレーン船「Sleipnir」。

洋上変電所は、HDVC(High Voltage Direct Current)と呼ばれる高圧直流送電技術の送電システムが採用されており、送電ロスが少なく長距離での大容量送電に適している。「Sofia Offshore Wind Farm」に近接する「Dogger Bank Wind Farm」では、日立ABBパワーグリッドの自励式HVDCシステムが搭載されていましたが、「Sofia Offshore Wind Farm」にはGEのHDVC技術が使用されているそうです。

重量13,000トン、高さは11階建てのビルに相当

世界最大のクレーン船「Sleipnir」による洋上変電所設置
出典:RWE
「Sleipnir」の船体を構成する各構造の高さ

洋上変電所トップサイドの重量は13,000トン、高さは11階建てのビルに相当するということなので約33m。「Sleipnir」船体のデッキボックス(12m)とコラム(23.75m)の高さは約36mあり、バラストによりコラム部分は半分程度が水面下にある状態ですけど、吊り上げているトップサイドがいかに大きいのかが分かります。

巨大なトップサイドを吊り上げている「Sleipnir」には10,000トン吊りクレーンが2基搭載されており、タンデムリフトによる最大吊り上げ能力は20,000トン。13,000トンの重量は、最大能力の65%なので作業的にも問題なし。

RWEのプレスリリースでは、洋上風力業界における同種の設置作業として世界最大だと述べています。

重量7,000トンのジャケット基礎

RWEのプレスリリースによると、洋上変電所はインドネシアにあるSeatriumのBatam Yardで約2年半かけて建造され、作業時間は1,300万時間以上にのぼるという。建造後、重量物運搬船「GPO SAPPHIRE」に搭載し、インドネシアから北海へ輸送。

トップサイドを支えるジャケット重量は約7,000トンあり、こちらの設置作業も「Sleipnir」によって実施されました。

【動画】洋上変電所輸送およびジャケット設置

「Sofia Offshore Wind Farm」の概要

「Sofia Offshore Wind Farm」は、RWEによってイングランド ノース・イーストの海岸から195km沖に建設が進められており、Siemens Gamesa製の14MW風力タービン「SG 14-222 DD」100基と洋上変電所1基を設置する計画。総発電容量は1,400MW。2026年に運転開始予定。

世界最大のクレーン船「Sleipnir」

船名Vessel name Sleipnir
吊上げ能力Lifting capacity 10,000トン吊×2基
タンデム 20,000トン吊
長さlength 220m
width102m
喫水Draft Range 12m~32m
建造年Year of construction 2019年
所有会社Owner companyHeerema Marine Contractors
2,500トン吊り補助ホイストのクレーン検査
出典:Heerema

「Sleipnir」は、2019年にシンガポールのSembcorp Marine(現 Seatrium)で建造。2015年にHeerema社とシンガポールのSembcorp Marineとの間で「Sleipnir」の建造契約を締結。建造費用は10億米ドル。日本円で1,200億円。(1ドル=120円換算、2015年3月時点)。

Huisman製の10,000トン吊りクレーン2基を搭載し、タンデムリフトによる最大20,000トンの吊り上げ能力は世界最大。

半年くらい前に世界のクレーン船図鑑として「Sleipnir」の動画を作ってみましたが、再生数的に需要は無さそうなので続編を作る気力が無くなってしまいました・・。良かったら一度見て下さい。

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