ケーブル敷設船「启帆19」進水
2023年11月9日、中国で建造されているケーブル敷設船「启帆19」(Qi Fan 19)の進水がおこなわれました。
ケーブル敷設船「启帆19」は、全長108.6m、幅37.2mで船体中央に設置したターンテーブルに海底ケーブル10,000トンを積載することが出来る。積載量を各ケーブル延長に換算すると、3芯の220kV交流ケーブル75km、単芯の300kV直流ケーブル130km、光通信ケーブルだと2,000km。完成後はケーブル敷設に加えて修繕作業に従事する予定だという。
船名 | 启帆19 |
長さ | 108.6m |
幅 | 37.2m |
喫水 | 6m |
ケーブル 積載容量 | 10,000トン |
最大埋設深度4.5mの曳航式トレンチャー搭載
ケーブル敷設船「启帆19」には、中国で独自開発された曳航式トレンチャーが搭載されるという。最大掘削深度は4.5m、海底面の掘削方法はウォータージェットを使用。Van OordやJan De Nulなどヨーロッパ企業のケーブルトレンチャーが自走式なのに対して「启帆19」に搭載されるものは曳航式。
施工することをイメージすると自走式の場合は、トレンチャーが海底面を走行するので速度の調整は可能ですが、曳航式となると問題が起きそう。「启帆19」にDP性能が搭載されているのかは不明ですが、船体をDP制御もしくは係留状態のどちらで操船していても、ワイヤーやケーブルのようなもので曳航すると、たるみが発生して止まっている所から一気に進んでまた止まるといったような動作になる場合があり、トレンチャーの動きを制御することは難しい。
曳航式でこの問題を解決する方法として、船体とトレンチャーを固定の部材で直結するという事が考えられますが、そうではないようです。報道されている施工イメージでは、船体直下にワイヤーのようなものでトレンチャーをぶら下げた状態でケーブル埋設作業をおこなっていました。
中国の報道記事では搭載されるトレンチャーのことを ”拖曳式水喷埋设犁”(曳航式ウォータージェット埋設プラウ)と説明しています。自走式ではない曳航式ケーブルトレンチャーの施工精度はどの程度なのか気になりますね。今後も「启帆19」の建造情報が公開されればお伝えします。
ヨーロッパ企業のケーブルトレンチャー
よく読まれている記事