インド洋を航行中にマルタ船籍のコンテナ船へ無人ドローンによる攻撃
2023年11月25日、インド洋を航行していたマルタ船籍のコンテナ船「CMA CGM SYMI」に対してイラン製とみられる無人ドローンによる攻撃があったことを米国防当局者の話としてAP通信が報じました。
全長366mのコンテナ船「CMA CGM SYMI」がドローン攻撃を受けたのは11月24日。ドローンは爆発して船体に損傷を与えましたが、けが人はいないという。AP通信が匿名を条件に米国防当局者が語った情報として報じている内容によると、コンテナ船「CMA CGM SYMI」を攻撃したのは爆弾を積んだ「Shahed-136」というドローン。
HESA・シャヘド136ドローンについて
HESA・シャヘド136は、シャヘド航空産業が設計及び製造をおこないうイラン製のドローン。全長3.5 m、翼幅2.5 mで、重量は約200kg。185km/h以上で飛行し、航続距離は1,800~2,500kmと推定されている。機首部分には推定30~50kgの弾頭を搭載することが可能。価格については不明ですが、1機当たり150万~800万円と推定されているそうです。
名称 | HESA・シャヘド136 (HESA Shahed 136) |
全長 | 3.5m |
翼幅 | 2.5m |
重量 | 200kg |
炸薬量 | 30~50kg |
エンジン | MD-550 ピストンエンジン |
開発者 | シャヘハド航空産業 |
製造業者 | HESA |
出典:Wikipedia | シャヘド136
コンテナ船「CMA CGM SYMI」の概要
船名 | CMA CGM SYMI |
総トン数 | 150,844トン |
載貨重量トン | 159,614トン |
コンテナ容量 | 14,812TEU |
長さ | 366m |
幅 | 51m |
船籍 | マルタ |
建造年 | 2022年 |
イスラエルの富豪が関係しているという理由でコンテナ船を標的に
コンテナ船「CMA CGM SYMI」へのドローン攻撃は、船の運航にイスラエルの富豪が深く関係しているという理由から標的にされたという。
コンテナ船「CMA CGM SYMI」の船名にも入っているCMA CGM(Compagnie maritime d’affrètement – compagnie générale maritime)は、フランスのマルセイユに本社を置く世界有数の海運・コンテナ輸送会社ですが、コンテナ船の船主ではありません。
コンテナ船「CMA CGM SYMI」は、ノルウェーのオスロに本部を置く船級協会DNVによって船級登録されており、公開されているVessel Register(船舶登録簿)でコンテナ船「CMA CGM SYMI」の登録情報を照会すると船主と運航会社について以下のように記載されていました。
コンテナ船「CMA CGM SYMI」のManager(運航会社)として記載されている Eastern Pacific Shipping Pte. Ltd. はシンガポールを拠点とする企業でイスラエルの実業家である Idan Ofer 氏が経営に深くかかわっているとAP通信は報じている。
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