「海基2号」のジャケット基礎杭完成
2024年2月8日、巨大な「海基2号」のジャケットを固定する直径2.7m、長さ170mのジャケット基礎杭16本が完成し、輸送台船への積み込みがおこなわれました。
思わず絶句してしまうほどの大きさ。
杭の重量は16本全体で約12,500トンということなので、1本当たり約780トン。輸送台船として使用されているのは中国海洋石油(CNOOC)の「海洋石油221」。台船の長さ153.55mに対して杭の長さが170mなので20m以上オーバーハングしている状態。
杭は8本をひとつの束にして2セットで積み込み。上段から3-3-2という組み合わせになっており、安定性を考えると上段を2本にした方が良さそうですが、積込作業の様子を見るとSPMTで運搬した時のスペースを確保するために下段を2本にしているようでした。
船名 | 海洋石油221 | 海洋石油228 | 海洋石油229 |
長さ | 153.55m | 192.73m | 234.7m |
幅 | 36m | 52.5m | 65m |
深さ | 9m | 12.75m | 14.25m |
最大積載重量 | 不明 | 57,000トン | 89,000トン |
スライド進水 | 不明 | 18,000トン | 38,500トン |
出典:海洋石油工程股份有限公司
高さ338m、重量37,000トン「海基2号」のジャケット
中国海洋石油は2023年11月24日に「海基2号」のジャケット主要構造物が完成したことを発表しています。その大きさは高さ338m、重量37,000トン。かなりの重量ですが、高強度の材料を使用して強度を確保した上で大幅に重量を削減しているそうです。
ジャケットをスライド進水させる台船の中で最大のものは、長さ234.7mの「海洋石油229」。「海洋石油229」は、2022年に船体延長させて浮力を増加させる改造を実施していますが、現況のスペックでスライド進水できる最大重量は38,500トン。なので37,000トンという「海基2号」のジャケットは、現況の施工設備で最大と言えそう。
設置時期については掲載されていないので不明。流花11-1/4-1油田の2次開発として香港から南東へ約220km、水深約325mの海域に設置される予定。
「海洋石油221」と「海洋石油228」の違い
今回の「海基2号」とは関係ない「深海1号」2期プロジェクトのジャケット運搬台船について。
2024年1月26日に掲載した「深海1号」2期プロジェクトのジャケットが完成し、台船へ積み込まれて設置海域への運搬が開始された時の記事で、使用されている台船は「海洋石油221」だと思っていました。
今回のジャケット基礎杭を積んだ台船は画像で船名が確認できたので間違いなく、台船の形状はほぼ長方形。一方で「深海1号」2期プロジェクトのジャケットを積んだ台船は ”しゃもじ” のように片側の船幅が拡幅されています。ジャケットの大きさと台船の長さから「海洋石油221」と思っていた台船は「海洋石油228」でした。
「深海1号」2期プロジェクトのジャケットはスライド進水がおこなわれ、7,500トン吊りクレーン船「蓝鲸7500」(LAN JING 7500)によって設置作業がおこなわれています。
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