高さ100m、「深海1号」2期プロジェクトのジャケット完成
2024年1月24日、深海ガス田「深海1号」2期プロジェクトのジャケットが完成し、広東省深圳市赤湾港にある建造ヤードから設置場所への運搬が開始されました。
ジャケットは横に倒した状態で建造し、レール上をスライドさせて台船へ積込。ジャケット重量は6,605トン、設置時の状態で高さは100.8m、4隅に各3本で計12本の杭を打設して固定する構造になっている。設置海域の水深は88.3mだという。
ジャケット輸送に使用している台船は中国海洋石油(CNOOC)のもので、船名が確認できませんが中国海洋石油のウェブサイトに掲載されている台船は3隻。ジャケットを搭載した画像から、約100mのジャケットが台船長さの2/3程度であることから、今回使用している台船は長さ153.55mの「海洋石油221」だと推測される。
船名 | 海洋石油221 | 海洋石油228 | 海洋石油229 |
長さ | 153.55m | 192.73m | 234.7m |
幅 | 36m | 52.5m | 65m |
深さ | 9m | 12.75m | 14.25m |
最大積載重量 | 不明 | 57,000トン | 89,000トン |
スライド進水 | 不明 | 18,000トン | 38,500トン |
出典:海洋石油工程股份有限公司
設置場所での豪快なスライド進水
出典:海洋石油工程股份有限公司
今回、台船に積まれて設置場所への運搬を開始した「深海1号」2期プロジェクトのジャケットは横倒しの状態で積まれており、吊り上げ用のワイヤーが天端部分にしか仕込まれていないことから、ジャケットをスライドさせる方法で進水させるようです。
2022年におこなわれた「海基1号」のジャケット進水では、高さ302m、重量30,000トンという巨大なジャケットのスライド進水が実施されています。バラストにより台船甲板を傾けてジャケットをスライドさせる瞬間はとても興味深い。
高さ302m、重量30,000トンの「海基1号」を超えるジャケットのスライド進水を超える案件はしばらく無いのかなと思っていましたが、中国ではさらに大きなジャケット「海基2号」の建造が進められているようです。やばいな。
高さ338m、重量37,000トン「海基2号」のジャケット
出典:海洋石油工程股份有限公司
中国海洋石油は2023年11月24日に「海基2号」のジャケット主要構造物が完成したことを発表しています。その大きさは高さ338m、重量37,000トン。かなりの重量ですが、高強度の材料を使用して強度を確保した上で大幅に重量を削減しているそうです。
ジャケットをスライド進水させる台船の中で最大のものは、長さ234.7mの「海洋石油229」。「海洋石油229」は、2022年に船体延長させて浮力を増加させる改造を実施していますが、現況のスペックでスライド進水できる最大重量は38,500トン。なので37,000トンという「海基2号」のジャケットは、現況の施工設備で最大と言えそう。
設置時期については掲載されていないので不明。流花11-1/4-1油田の2次開発として香港から南東へ約220km、水深約325mの海域に設置される予定。
よく読まれている記事