商船三井と深田サルベージが浮体式洋上風力の曳航・係留作業船で協業

商船三井と深田サルベージが浮体式洋上風力の曳航・係留作業船で協業 国内ニュース
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商船三井と深田サルベージが浮体式洋上風力の曳航・係留作業船で協業

2025年2月14日、株式会社商船三井深田サルベージ建設株式会社は浮体式洋上風力の曳航・係留作業船の協業検討に関する覚書の締結を発表しました。

浮体式洋上風力発電設備の効率的な曳航・係留作業手順の検討を進め、2030年代に想定される日本市場での浮体式洋上風力の導入拡大に備え、これらの作業に適した新造船の共同保有・運航体制の構築ならびに係留システムの調達体制の構築を目指していくという。

効率的な作業手順の検討から新造船建造まで

着床式洋上風力発電設備は、設置海域に設置したモノパイルやジャケットなどの基礎上にタワー、ナセル、ブレードといった部材を現地で組み立てていく必要があるのに対して、浮体式洋上風力発電設備は静穏な港湾域内で事前に浮体構造物上へ風力タービン部材の組み立てを完了した状態で設置海域まで曳航することが出来るというのはメリットの1つと言えます。

設置海域でも浮かんだ状態の浮体式洋上風力発電設備は、位置を保持するためにアンカーおよび係留索からなる係留システムと接続する必要がある。今回発表された協業検討に関する覚書では、効率的な曳航・係留作業手順の検討を進めた上で、一連の作業に適した新造船の建造・共同保有、運航体制の構築、そして係留システムの調達体制構築まで盛り込まれている。

巨大な浮体式洋上風力発電設備を繋ぎとめる係留には、高把駐力アンカーや係留索としてチェーンを使用することが一般的。海外では、係留索としてチェーンの一部に繊維ロープを使用している事例もありますが、水深の深い場所に設置する浮体式洋上風力発電設備にとってアンカーの把駐力を考えると係留索に単位重量の重たいチェーンの使用は必須と言える。アンカーを設置することが出来る自航式の揚錨船は現状でも国内に多く存在しますが、その多くはワイヤーアンカーの設置を想定した揚錨船であるため、既存設備のウインチにチェーンを巻き取ることは出来ない。

海上でアンカーを取り扱う作業は重大災害につながる危険度の高い作業なので、手順の効率化を図り、作業に適した新造船の運用によって事故が起きるリスク低減にも期待できるのではないでしょうか。

類似する国内の浮体式洋上風車向け専用船構想

2024年2月にケイライン・ウインド・サービス株式会社ジャパンマリンユナイテッド株式会社日本シップヤード株式会社の3社は、浮体式洋上風車向け専用船構想に係るAiP認証を日本海事協会(ClassNK)より取得したことを発表しています。

「係留システムの輸送」「係留システムの海底設置・展張」「アンカー把駐力試験」といった作業項目を効率的に遂行することを主目的に開発され、洋上風力発電所の開発から運転までの一連のプロセスである「調査」「輸送」「建設」「保守管理」という各段階における様々な船舶需要に対応できるよう、多機能性にも配慮した設計となっているという。

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