重量22,000トン、北海で「Hugin A」ジャケット進水
2025年7月17日、ノルウェーの石油探査および開発をおこなうAker BPは北海に位置する石油・ガス田の「Yggdrasil」で設置するジャケット「Hugin A」進水作業の実施を発表しました。
設置場所付近までジャケットを輸送し、スライド進水という方法でジャケットの進水作業をおこなったのは、Heerema Marine Contractorsが所有する全長180mの台船「H-591」。そして、ジャケット進水後に建て起こして所定の設置位置へ据え付ける作業をおこなったのは、同じくHeerema Marine Contractorsが所有する世界最大のクレーン船「Sleipnir」。
台船「H-591」から進水したジャケットの設置をおこなうため、事前に取り付けていたワイヤーをクレーン船「Sleipnir」のフックに接続。横倒しの状態からジャケットを直立に建て起こし、設置位置へ移動して据付完了。今後は、ジャケット4隅に各5本、計20本の杭を打設して固定する作業をおこなうという。ジャケットを固定する杭は、1本当たり重量360トン。
「Hugin A」のジャケット重量は22,000トン。巨大なジャケットを輸送台船上からスライドさせて進水させる作業は、インパクト大。記事後半にAker BPがLinkedInに投稿したジャケット進水動画を掲載しています。
世界最大のクレーン船「Sleipnir」

出典:Heerema Marine Contractors
「Sleipnir」は、オランダのHeerema Marine Contractorsが所有する世界最大の吊り上げ能力を持つクレーン船。10,000トン吊りのクレーン2基を搭載しており、タンデムリフトにより最大20,000トンの吊り上げ能力を発揮する。
2019年にシンガポールのSembcorp Marine(現 Seatrium)で建造され、船体寸法は長さ220m、幅102m。
クレーン船による世界最大の吊り上げ記録を持っており、2022年10月4日にデンマーク沖合の北海にあるタイラ油田のトップサイド設置で17,000トンを記録。
船名 | Sleipnir |
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吊上げ能力 | 10,000トン吊×2基 タンデム 20,000トン吊 |
長さ | 220m |
幅 | 102m |
喫水 | 12m~32m |
建造年 | 2019年 |
所有会社 | Heerema Marine Contractors |
ジャケットの輸送・進水をおこなった台船「H-591」

出典:Heerema Marine Contractors
船名 | H-591 |
長さ | 180m |
幅 | 46m |
深さ | 11.7m |
載貨重量トン数 | 52,034トン |
スライド進水容量 | 24,000トン |
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