Century Wind Powerが海龍洋上風力のジャケット21基納入

2025年8月15日、Century Wind Power(世紀離岸風電設備)は台湾西部の彰化県沖で建設が進められている「Hai Long Offshore Wind」向けジャケット基礎21基の納入を完了。
Hai Long Offshore Windの掲載情報によると、納入された風力タービン用ジャケット基礎は、台湾の洋上風力発電所向けに製造されたものとしては最大かつ最重量だという。ジャケット基礎の高さは90mを超え、重量は約2,000トン。
「Hai Long Offshore Wind」はNorthland Power、三井物産、Gentariで構成されるHai Long Offshore Wind Projectが3つのフェーズに分けて開発を進めている。2A(294MW)、2B(224MW)、3(504MW)では、Siemens Gamesaの14MW風力タービン「SG 14-222 DD」73基と洋上変電所2基を設置する計画。
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擎天塔(Twin Tower)を運用した初のプロジェクト

「Hai Long Offshore Wind」向けジャケット基礎21基の製造は、Century Wind Powerが2024年12月に新設した擎天塔(Twin Tower)の運用開始以来、初めて組立作業を完了したプロジェクトだという。
擎天塔(Twin Tower)は、洋上風力タービンで使用する水中基礎専用の屋外吊り上げ設備。Century Wind Powerのウェブサイトに詳細情報は記載されていませんが、報道情報によると、揚程は110m。吊り上げ能力については、1,600トン?みたいな情報を確認しました。
擎天塔(Twin Tower)でジャケット上部を吊り上げて下部と連結する様子を映した画像では、4つのフックブロックを備えているのを確認。重量2,000トンのジャケット製造が可能だということですが、上下部を一体化した後に全体を吊り上げる必要は無いので、1,600トン吊りでも最終重量が2,000トンのジャケット製造は可能なんだと思います。
さらに、Century Wind Powerでは2基目の擎天塔(Twin Tower)新設作業が進行中。1基目の横でタワー部分が少し組み立てられています。完成予定は2025年第3四半期。2基目の揚程は130mに増強されており、重量2,500トンのジャケット製造が可能。
ジャケットに油圧式杭頭グリッパーシステムを初導入

出典:IQIP
納入されたジャケット基礎21基すべてに油圧式杭頭グリッパーシステム(hydraulic gripper system)が導入されている。
油圧式杭頭グリッパーシステムは、ジャケット基礎のそれぞれ3本ある脚部に取り付けられており、現場での設置時に基礎杭とジャケットを一時的に固定することができる。最終的に接続部へグラウト充填をおこなうまでの間、ジャケット基礎を正しい位置で水平に保ち、安定性を確保。
油圧式杭頭グリッパー作動後、悪天候などの状況下ではグラウト充填前でも一時的に作業を中断して現場を離れることができるため、設置中のリスク軽減につながるという。


Hai Long Offshore Wind(海龍洋上風力発電所)の概要

名称 | Hai Long Offshore Wind(海龍洋上風力発電所) |
設置位置 | 台湾中西部 彰化海岸から西へ45~70kmの台湾海峡 |
水深 | 35m~55m |
発電容量 | 1,022MW(2a:294MW、2b:224MW、3:504MW) |
基礎構造 | 着床式、ジャケット |
タービンメーカー | Siemens Gamesa |
風力タービン | 14MW「SG 14-222 DD」 |
設置基数 | 73基 |
運転開始 | 2025年~2026年 |
事業者 | Hai Long Offshore Wind Project |
その他 | 洋上変電所2基 |
- Northland Power
- MITSUI & CO.(三井物産)
- Gentari
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