SAL Heavy Liftは2022年9月に中国の造船所と建造契約を行った「Orca Class」と呼ばれる4隻の新造船に各2基の800トン吊りクレーンを搭載するため、8基の800トン吊りクレーンをLiebherrに発注したことを発表。
「Orca Class」新造船4隻に LS 800 E を搭載
SAL Heavy Liftは新造船の「Orca Class」4隻に搭載する8基の800トン吊りクレーンをLiebherrに発注。
風車部材の運搬に使用
完成予定は、4隻のうち2隻が2024年半ば。さらに2隻が2025年上半期に完成予定。最初に完成する2隻は、風車タービンメーカーのSiemens Gamesa Renewable Energyと長期的な専属契約を行っており、完成後は風車部材の運搬を中心に行う予定。日本の秋田で設置が完了した風車部材もSALが所有するクレーン付き重量物運搬船によって日本に運ばれてきました。
新造船は中国で建造中
2022年9月7日、SAL Heavy Liftは「Orca Class」と呼ばれる4隻の新造船建造契約を中国のWuhu Shipyard(蕪湖造船廠有限公司)と締結したことを発表。造船所があるのは、中国の長江をかなり上流にのぼった、安徽省(あんきしょう)蕪湖市(ぶこし)。
「Orca Class」のスペック
「Orca Class」の船体寸法は、長さ149.9m、幅27.2m、深さ16.7m、載貨重量トン数14,600トン。コンパクトな船体寸法にもかかわらず、クラス最大となる107m × 18.5m × 13.3mという箱形の単一船倉を備えている。ハッチカバーの耐力は10t/m2。
タンデムリフトで最大吊り上げ能力は 1,600トン
1隻にLiebherrの800トン吊りクレーンLS 800 E を2基搭載。タンデムリフトにより最大1,600トンの吊り上げ能力。クレーンの台座は11mありますが、クレーンを含む水面上の高さ、エアドラフトは約38mに抑えられている。これによって橋の下や架空制限がある航路でも有利。
デュアルフューエルエンジン搭載
デュアルフューエルエンジン搭載で、メタノールを代替燃料として使用可能。カーボンニュートラルな輸送ソリューションを提供できるそうです。Van Oordが建造中のSEP起重機船「Boreas」やGustoMSCが発表した次世代大型クレーン船シリーズENSISもメタノール燃料に対応していたので、今後増えてくるんでしょうね。
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