フランスの洋上風力で変電所の設置に「Pioneering Spirit」を予定
フランス西部のビスケー湾に建設予定の「Noirmoutier Offshore wind farm」で洋上変電所のジャケット及びトップサイドの設置をAllseasが所有する「Pioneering Spirit」が行うという。設置時期は2024年前半なので、少し先の話ですが。洋上風力発電所は、2025年後半に完成予定。
「Noirmoutier Offshore wind farm」の事業者であるEMYN(Éoliennes en Mer des Îles d’Yeu et de Noirmoutier)は、コンソーシアムと呼ばれる共同企業体。以下のような企業で構成されている。
日本の住友商事もこの事業に参画しています。出資比率はOcean Windsの60.25%に次いで2番手にあたる29.5%。住友商事は他にも同じコンソーシアムでフランス北西部に建設予定の「Dieppe le Tréport Offshore wind farm」にも参画している。
洋上変電所およびタービン基礎の輸送・設置はDEMEが受注
EMYN confie à DEME le transport et l’installation des fondations et de la sous-station du parc
(EMYN は風力タービンの基礎と変電所の輸送と設置を DEME に委託)
https://iles-yeu-noirmoutier.eoliennes-mer.fr/emyn-confie-a-deme-le-transport-et-linstallation-des-fondations-et-de-la-sous-station-du-parc/
2023年2月10日の掲載記事で「Noirmoutier Offshore wind farm」の洋上変電所と風力タービン基礎の輸送・設置について、事業者のEMYNはDEMEと契約したことを発表している。
そして、DEMEが洋上変電所のジャケットとトップサイドの設置についてAllseasと契約という流れ。
Allseas to install offshore substation on behalf of DEME Offshore for major French offshore wind farm
(Allseas、フランスの主要な洋上風力発電所向け DEME Offshore に代わって洋上変電所を設置)
https://allseas.com/news/allseas-to-install-offshore-substation-on-behalf-of-deme-offshore-for-major-french-offshore-wind-farm/
設置エリアの海底は岩盤
「Noirmoutier Offshore wind farm」を設置するエリアの海底地盤は岩盤という非常に施工が困難な条件の場所。DEMEの掲載記事では同じくフランスの「Saint-Nazaire offshore wind farm」で使用した最先端の掘削技術を再び使用すると述べている。
硬い岩盤を掘削してモノパイルを設置するために、トンネルボーリングマシンの世界的企業「HERRENKNECHT」とDEMEとが共同で開発したOffshore Foundation Drill (OFD) と MODIGA。「Saint-Nazaire」でも施工を行ったDEMEが所有する1,500トン吊りSEP起重機船「INNOVATION」が「Noirmoutier」でも作業を行うという。
「Saint-Nazaire offshore wind farm」での掘削技術を使用したモノパイル設置を含む記事👇
洋上変電所設置は「Pioneering Spirit」に搭載のクレーンを使用
Allseasが所有する「Pioneering Spirit」には大きく3つの揚重設備が搭載されており、「Noirmoutier」で洋上変電所 ジャケットとトップサイドの設置にはどちらも5,000トン吊りクレーンを使用する予定。
- 旋回クレーン 5,000トン
- ジャケットリフトシステム(JLS) 20,000トン
- トップサイドリフトシステム(TLS) 48,000トン → 60,000トンへアップグレード予定
トップサイドリフトシステム(TLS)は、現在48,000トンの揚重能力ですが60,000トンへのアップグレードが予定されています。
出典:Allseas
Allseasは掲載記事の中で「Noirmoutier」の洋上変電所設置作業は「Saint-Nazaire」で「Pioneering Spirit」が行った作業によく似ていると述べており、その時もジャケットとトップサイドの両方を5,000トン吊りクレーンを使用して設置している。
ジャケットの基礎杭は、SEP起重機船「INNOVATION」で先行して打設し、ジャケット設置時は下端を基礎杭に挿入するという手順。
よく読まれている記事