⽯狩湾新港洋上風⼒で8MW風力タービン14基設置完了
2023年10月16日、清水建設は石狩湾新港洋上風力発電事業で自社のSEP起重機船「BLUE WIND」により8MW風力タービン14基の設置が完了したことを発表しました。
掲載情報によると、洋上工事は清水建設と日鉄エンジニアリングの共同企業体で施工をおこない、日鉄エンジニアリングが風車基礎および下部構造物の製造と施工、清水建設が風車のプレアッセンブル・洋上施工および海底ケーブル敷設を担当。
風力タービンの施工については、石狩湾新港内に約10万m2の巨大な作業ヤードを構え、2023年3月から使用する風力タービンのタワー・ナセル・ブレードといった部材の受け入れを開始。SEP船での洋上施工に先行して、14基分の風車部材をヤードに仮置するとともに、3分割された状態で輸入・仮置きされたタワーの組み立て作業やタワー内の配線工事などを陸上で進めていたという。
SEP起重機船「BLUE WIND」は、7月初旬に石狩湾新港へ入港後、8MW風車部材を2基分ずつ搭載して7回出港を繰り返し、計14基の風車を設置。台風や集中豪雨といった荒天に見舞われたため、8月中の施工完了とはいかなったようですが、所定の工期内に完了することができたそうです。
石狩湾新港洋上風力発電事業に関する記事
石狩湾新港洋上風力発電事業に関する他作業<ジャケット基礎グラウト工事>
風力タービンの基礎となるジャケット設置後に施工したグラウトを充填する作業の様子。グラウト材として使用されたのは、コンクリート用混和剤などの製造・販売をおこなうポゾリス ソリューションズの製品。洋上風力発電設備専用の超高強度グラウト材「マスターフロー 9500」。
動画内でグラウト打設の相番をおこなっているクレーン船は、株式会社濱谷建設(本社:北海道釧路市)の400トン吊りクレーン船「鳳翔号」。
動画リンク先 YouTube | 石狩湾新港 洋上風力発電事業におけるグラウト工事事例
船名 | 鳳翔号 |
クレーン能力 | 400トン |
長さ | 65.0m |
幅 | 25.0m |
深さ | 4.5m |
建造年 | 2014年12月 |
出典:株式会社濱谷建設
SEP起重機船「BLUE WIND」の現在地
SEP起重機船「BLUE WIND」は、石狩湾新港洋上風力での風力タービン設置を終えたあとに母港である室蘭港に帰港し、2023年9月26日に台湾での施工をおこなうため台中港へ向かっていました。台湾では雲林洋上風力発電所(Yunlin Offshore Wind Farm)でモノパイル輸送・設置の施工を2024年2月から予定しているという情報でした。しかし、AIS情報を確認してみると現在地は「CHANGHUA WINDFARM」。「BLUE WIND」が何か作業をおこなっているのかは不明。
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