五洋建設とDEMEは、900トン吊りから1,600トン吊りへアップグレードが予定されているSEP船「Sea Challenger」の縮尺模型をお披露目した。SEP船「Sea Challenger」は、2025年春を目標に日本船籍化することが発表されている。
五洋建設とDEMEがSEP船「Sea Challenger」の縮尺模型を公開
2022年12月6日、五洋建設とDEMEは1,600トン吊りへアップグレードが予定されているSEP船「Sea Challenger」の縮尺模型をお披露目しました。東京で開催されたお披露目セレモニーには五洋建設、DEMEそれぞれの社長とCEOの出席に加え、ベルギーのアストリッド王女や石井浩郎国土交通副大臣なども臨席し日本、ベルギーの両国としても注目度が高いことが伺えます。
五洋建設とDEMEは、2021年10月に合弁会社「ジャパンオフショアマリン(JOM)」を設立。900トン吊りから1,600トン吊りへクレーンのアップグレードが予定されているSEP船「Sea Challenger」をJOMで改造、所有し、日本船籍化することを発表していました。
アップグレードはクレーン増強に加え船体の拡幅とレグの延長も
アップグレード予定のSEP船「Sea Challenger」は、クレーン能力の増強に加えて船体の拡幅とレグの延長も行うようです。
クレーン能力については、900トンから1,600トンへの増強が発表されていますが、船体の拡幅とレグの延長について具体的な数字は明記されていません。SEP船「Sea Challenger」の現況の船幅は39m、レグ長さは82.5m。
船名 | Sea Challenger |
クレーン能力 | 900トン |
ブーム長さ | 95m |
長さ | 132.41m |
幅 | 39.00m |
深さ | 9.00m |
ペイロード | 6,000トン |
デッキ面積 | 3,350m2 |
レグ長さ | 82.5m、4本 |
同様のアップグレードを行った「Bold Tern」
SEP船「Sea Challenger」と同じように800トン吊りから1,600トン吊りへアップグレードを行ったFred. Olsen Windcarrierの「Bold Tern」。2021年9月から2022年6月にかけてシンガポールのKeppel FELSでアップグレードを行いました。
10カ月に及ぶ改造期間の中でSEP船「Bold Tern」は、Huisman製1,600トン吊りクレーンの搭載と船体の拡幅を行っています。
「Sea Challenger」との違いはレグの延長を行っていないという点。
「Bold Tern」は、クレーン部分の載せ替えを行い、吊り上げ能力が800トンから1,600トンへ増強されたことに加え、ブーム長さも延長されています。船幅は39mから45mになり、両サイドに各3m拡幅。
「Bold Tern」に搭載されたクレーンはHuisman製の「LEC 65500」。ブーム長さは不明ですが画像を見ると船体長さと同じくらいなので約130m。このアップグレードにより吊り上げ能力1,600トン、メインフックの最大揚程は甲板上から158mになり、15MWの洋上風車組立が可能になりました。
「Sea Challenger」もクレーンを載せ替えた時にブームを長くする可能性がありそう。レグの延長はどの程度かは不明ですが、「Bold Tern」と同程度なら10m延長。船体の拡幅は両サイド各3mの6mでほぼ確定。
どちらの船体も Gusto MSC による設計なので基本的な構造は似ているのかもしれません。Gusto MSC のウェブページで閲覧できる実績一覧に記載されている型式は「Sea Challenger」「Bold Tern」共に「NG-9000C」。
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