Allseasがドイツで洋上変電所2基の輸送・設置契約
2024年4月29日、Allseasは送電事業者の50Hertzと「Gennaker Offshore Wind Farm」向け洋上変電所2基の輸送・設置について契約を締結したと発表。
「Gennaker Offshore Wind Farm」は、ドイツのフィッシュラント=ダルス=ツィングシュト半島から北へ約15kmのバルト海でSkyborn Renewablesが開発を進めており、Siemens Gamesa製の9MW風力タービン103基と洋上変電所2基を設置する計画で総発電容量は927MW。
洋上変電所基礎にサクションバケットジャケットを採用
設置する洋上変電所2基のトップサイドおよびジャケットは、HSM Offshore Energy、Smulders、Ivの3社によるHSIコンソーシアムが建造を担当し、オランダとベルギーの造船所で建造作業がおこなわれる予定。
洋上変電所基礎のジャケット固定方法は、後打ち杭による固定ではなくサクションバケットを採用。設置方法は、ジャケット着底後に足元にあるサクションバケット内部の海水を排水することによって内外の水圧差を利用して海底地盤内に基礎を貫入させるというもの。
サクション(吸引)式の基礎ジャケットを採用している点には注目ですが、さらに設置作業は「Pioneering Spirit」が使用されるようです。
「Pioneering Spirit」による洋上変電所の輸送・設置
「Gennaker Offshore Wind Farm」の洋上変電所2基を設置するのは「Pioneering Spirit」。
382mという巨大な船体には、船首側に容量48,000トンのトップサイドリフトシステム(TLS)、船尾側に容量20,000トンのジャケットリフトシステム(JLS)を搭載。さらに、5,000トン吊りのクレーンもある。
設置予定のトップサイドおよびジャケット重量は不明なので、どの搭載設備を使用して作業がおこなわれるのか分かりませんが、重量的に5,000トン吊りの旋回クレーンで設置出来る範囲であればTLS、JLSは登場しない可能性が高い。2021年に設置したフランスの「Saint-Nazaire offshore wind farm」では、重量1,250トンのジャケットおよび2,100トンのトップサイドを5,000トン吊りクレーンで施工。
設置対象 | 重量 | 設置時の使用設備 |
---|---|---|
DolWin kappa ジャケット | 5,000トン | JLS |
DolWin kappa トップサイド | 11,000トン | TLS |
Saint-Nazaire ジャケット | 1,250トン | 5,000トン吊りクレーン |
Saint-Nazaire トップサイド | 2,100トン | 5,000トン吊りクレーン |
出典:Allseas
「Pioneering Spirit」
出典:Allseas
船名 | Pioneering Spirit |
長さ | 382m |
幅 | 124m |
深さ | 30m |
トップサイドリフトシステム | 48,000トン |
ジャケットリフトシステム | 20,000トン |
クレーン能力 | 5,000トン |
建造年 | 2014年 |
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