イギリスの造船所で建造されていた水陸両用乗組員輸送船「CRC Walrus」が完成し、近日中に「Scroby Sands Wind Farm」で運航を開始する予定。海上公試での動作確認として砂浜を走行する動画では、とてもスムーズな動き。完成度の高い仕上がりになっています。
水陸両用乗組員輸送船「CRC Walrus」完成
イギリス南部のワイト島にある造船所「Diverse Marine」で建造されていた水陸両用乗組員輸送船「CRC Walrus」が完成し、Sea Trial(海上公試)での動作状況を含む動画を掲載。所有者のCommercial Rib Charterは、さっそく今週末に完成したばかりの「CRC Walrus」を「Scroby Sands Wind Farm」で運航する予定であることを明らかにしている。
堆積した砂が原因でアクセスが困難に
2004年に完成したイギリス東部のグレート・ヤーマス沖にある発電容量60MWの洋上風力発電所「Scroby Sands Wind Farm」。
堆積した砂によって水深が減少し、洋上風車へのアクセスが困難な状況となり、定期点検やメンテナンスなどを行う上で支障となっていた。
砂浜をタイヤで走行する船
船名 | CRC WALRUS |
長さ | 12.8m |
幅 | 4.0m |
喫水 | 0.9m |
搭乗定員 | 乗客8人+乗組員2人 |
最大速力 | 24ノット(海上) 4ノット(陸上) |
砂浜をタイヤで走行する船。
砂浜だと自船の重量でタイヤが埋まり込んで走行に支障がでたり、バランスを崩してしまいそうなイメージがありましたが、全くそんな感じはありません。砂浜走行時の安定感抜群。
船体素材として大部分に使用されているアルミにより船体重量を軽くしていることが最大のポイント。
陸上走行時の最大速力は4ノット。時速に換算すると7.4km/hなので軽いジョギングのペースくらい。
世界の水陸両用船
水陸両用船を調べてみると世界には、それなりに存在していました。
軍用の水陸両用強襲輸送車は、水上での航行時にウォータージェットを利用し速力7ノットという速度、陸上走行時に使用するキャタピラーだけでも約4ノットで航行可能。陸上での走行速度は、整地された路面状態だと72km/h。
大阪で運航されている水陸両用観光バス「LEGEND零FOUR」。全長11.95m、幅2.45m、最大搭載人員42名、建造されたのは2012年5月。陸上では90km/hで走行可能、海上での最大速力は5ノット。
他にも水陸両方走行が可能なものはありましたが、多くは陸上を走行する車両を水上で走行できるように改造したものが多い印象。なので陸上走行は結構な速度で走れますが、水上だと5~7ノット。今回の「CRC Walrus」のように船を陸上走行ができるように改造したものは少ないようです。「CRC Walrus」は海上での最大速力24ノット。
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