中国のグラブ浚渫船「金広」修理完了
最近、中国の中交広州航道局(CCCC Guangzhou Dredging)が運航するグラブ浚渫船「金広」(JIN GUANG)の修理作業が完了。主な修理内容は、グラブバケット修理、スパッド延長、重機修理、居住エリア内装改修、甲板塗装。修理作業のためグラブ浚渫船「金広」は、2022年11月25日に修理をおこなった造船所へ入っていたという。
修理をおこなったグラブバケットは2種類で、それぞれの容量は136m3と200m3。
グラブ浚渫船「金広」(JIN GUANG)の概要
船名 | 金広 |
総トン数 | 8,048トン |
長さ | 100m |
幅 | 36m |
深さ | 6m |
建造年 | 1995年 |
世界最大200m3のグラブバケットを搭載した浚渫船「金広」
グラブ浚渫船「金広」に搭載されている最も大きいグラブバケットの容量は200m3。
日本の株式会社小島組(本社:愛知県名古屋市)所有のグラブ浚渫船「五祥」に搭載されているグラブバケットが世界最大であるという事は、NHKの「有吉のお金発見 突撃!カネオくん」でも紹介されていたので知っていました。
しかし、中国にも「五祥」と同じ容量200m3のグラブバケットを搭載した浚渫船がいるというのは驚き。
グラブ浚渫船「金広」は、中国船級社(China Classification Society)で船級登録されており、登録情報を確認すると意外な事実が分かりました。
グラブ浚渫船「金広」は日本で建造
グラブ浚渫船「金広」の船級登録情報を照会すると、建造場所は日本、建造した造船所として ”Sumitomo Heavy Industries,Ltd.” が記載されていました。確かに、外観は「五祥」にそっくり。
グラブ浚渫船「金広」のクレーン後部には ”Sumitomo” と書かれているのが確認できます。船体寸法も同一なので、同型船ということなのかもしれません。
ギネス世界記録に認定されたグラブ浚渫船「五祥」
グラブ浚渫船「五祥」は、ギネス世界記録に「世界最大グラブ浚渫船」として公式認定されているそうです。
株式会社小島組のウェブサイトに掲載されている情報によると、住友重機械工業(株)、川崎重工業(株)、ウォルターフンガーGmbH&Co.KG(ドイツ)の協力を得て小島組が建造したグラブ浚渫船「五祥」が最大のグラブ浚渫船としてギネス世界記録に公式認定されたと紹介されています。
2000年に「五祥」を建造、2011年から海外大手浚渫会社のオファーを受け中東やアフリカで稼働。その後、より浚渫深度の深い海外の大規模プロジェクト稼働に備え、2014年に大規模改造・開発を開始、2016年1月に改造が完成したという。
グラブ浚渫船「五祥」は全長100m、幅36m、喫水3.6m。重錘式グラブ昇降システムと呼ばれるバランス型(つるべ式)のグラブ昇降システムを採用しており、エネルギー効率が高いのが特徴。超大型の昇降用シリンダー製作では、日本に製造会社がないためドイツのメーカーに依頼。重機の構造物部分は、住友重機械工業が担当し、油圧機構は川崎重工業が担当したそうです。
容量200m3という巨大なグラブバケットの重量は370トン。その大きさから開く動作に18秒、閉じる動作に26秒かかるという。自重370トンという重量に驚きですが、固い地盤の浚渫ができる容量106m3の新型硬土掘削用グラブバケットは重量477トンでさらに重たい。
グラブ浚渫船「五祥」の概要
船名 | 五祥 |
総トン数 | 7,052トン |
長さ | 100m |
幅 | 36m |
建造年 | 2000年 |
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