中国へ自動車運搬船「フリーマントル・ハイウェイ」輸送完了
Boskalisは火災により損傷した自動車運搬船「フリーマントル・ハイウェイ」(FREMANTLE HIGHWAY)について中国への輸送が無事完了したことを明らかにした。船名を「FLOOR」に変更した「FREMANTLE HIGHWAY」は、Boskalisの半潜水式運搬船「BOKA Vanguard」へ搭載した状態でオランダから中国へ輸送されました。
自動車運搬船「フリーマントル・ハイウェイ」で火災が起きたのは、2023年7月25日夜。火災は6日間以上続き、8月1日に鎮火が確認され、オランダのエームスハーヴェンに入港。そこで貨物として積まれていた車両の搬出や事故調査がおこなわれた後、2023年9月21日にエームスハーヴェンを出港し、ロッテルダムへ。オランダのロッテルダムにある造船所Damen Verolme Rotterdamではドックに入渠し、損傷した部分の船体撤去や清掃、検査などがおこなわれていました。
2024年12月17日に引き渡し完了
Boskalisが輸送完了を明らかにしたLinkedIn投稿の説明で輸送先については ”Far East”(極東)としか記載されておらず、同投稿に添付されている動画もオランダのロッテルダムで「BOKA Vanguard」へ「フリーマントル・ハイウェイ」を搭載した時の様子だけでした。
中国で報じられている情報によると、山東省 威海市 栄成市の沖で「BOKA Vanguard」から「フリーマントル・ハイウェイ」を進水させたのは2024年12月17日。固縛解除などの準備作業から「BOKA Vanguard」潜水、「フリーマントル・ハイウェイ」進水・曳航まで一連の作業には17時間かかったという。
「BOKA Vanguard」のAIS情報と中国で報じられている情報を合わせると、「フリーマントル・ハイウェイ」の進水位置および係留位置は以下の通り。「フリーマントル・ハイウェイ」は、和興船業有限公司で修理作業を5ヶ月間おこなう予定であると報じられている。
無事に輸送任務を終えた「BOKA Vanguard」は舟山市へ
12月17日に「フリーマントル・ハイウェイ」を無事進水させた「BOKA Vanguard」は、翌日の12月18日に栄成市沖を出発して浙江省舟山市へ。12月21日に到着し、1週間後の28日にドックへ入渠。
現段階でBoskalisからの発表はありませんが、2024年9月17日に「BOKA Vanguard」改修に向けた鉄鋼切断式がおこなわれ、改修作業に着工したことを中国メディアが報じています。
「BOKA Vanguard」の改修内容は、現在の船幅78.75mを90.75mに拡幅するため船外プラットホームを増設し、デッキ面を拡大するというもの。増設する部材の総重量は1,400トン、船外プラットホームの大きさは12m×50mと報じられていますが、改修後の外観がどのような状態になるのかはよく分かりません。
「BOKA Vanguard」は半潜水式重量物運搬船の中でも世界最大。それをさらに拡張するとなると改修後に運搬する予定の貨物が何なのか気になります。
出典:龙de船人
半潜水式運搬船「BOKA Vanguard」
出典:Boskalis
船名 | BOKA Vanguard |
載貨重量トン | 116,175トン |
長さ | 275.0m |
幅 | 78.75m |
深さ | 15.5m |
最大デッキ深度 | 15.5m |
建造年 | 2012年 |
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