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中国で洋上風力向け4千トン吊りクレーン船「秦航工5000」が完成

中国で洋上風力向け4千トン吊りクレーン船「秦航工5000」が完成 起重機船、クレーン船

 中国で4,000トン吊りのクレーンを搭載した「秦航工5000」が完成。15MW以上の大型洋上風車のモノパイルやジャケット設置など主に洋上風力設備の基礎を設置する作業を行うために建造されたようです。

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中国で洋上風力向け4,000トン吊り「秦航工5000」が完成

 中国で4,000トン吊りのクレーン船「秦航工5000」が完成。全長182m、固定吊り4,000トン、旋回3,000トン、甲板上からの最大揚程120mの大型クレーン船は、主に15MW以上の大型洋上風車のモノパイル設置やジャケット設置など洋上風力設備の基礎を設置する作業を行うために建造されたようです。

中国で建造中の4,000トン吊りクレーン船「龙圣1」船体完成
2022年7月 船体部分の建造が完了
2022年8月26日に進水
船名秦航工5000
(QIN HANG GONG 5000)
クレーン能力固定 4,000トン
旋回 3,000トン
長さ182m
49m
深さ15m
「秦航工5000」の概要

 以前、2022年7月に船体部分の建造が完成した時点では「龙圣1」(long sheng 1)という船名で紹介されていましたが、今回完成した「秦航工5000」と同一のクレーン船みたい。

 2022年8月26日に予定通り進水が行われ、当初の予定では2023年前半に完成予定でしたが、大幅に完成時期が早まったと思われる。

 

SES-Techの可変周波数制御システム

  建造された「秦航工5000」には、SES-Tech(Wuxi Silent Electric System Technology Co., Ltd.、无锡赛思亿电气科技有限公司)という中国企業の可変周波数制御システムが採用されているそうです。いろいろと調べてみましたが私には ”可変周波数制御システム” というものを理解することは出来ませんでした。SES-Techのウェブページで紹介されている製品の効果によるとエネルギー効率の最適化、振動ノイズの低減、優れた操縦特性といったメリットがあるらしい。

 SES-Techの ”可変周波数制御システム” がクレーン船に搭載されるのは「秦航工5000」で2隻目。初めて搭載されたのは2021年に完成した3,000トン吊りクレーン船「能建广火002」(NENG JIAN GUANG HUO 002)。

長さ100m以上のモノパイルを自船のクレーンだけで建て起こし
船名能建广火002
クレーン能力固定 3,000トン
旋回 2,400トン
長さ181.58m
48m
深さ13m
甲板面積5,200m2
「能建广火002」の概要
東京ゲートブリッジの架設作業
出典:Twitter | @mlit_kanto_port

 「能建广火002」の特徴は、甲板面積が広く直径9m、長さ100mのモノパイル3本を自船に積み込むことが可能で、2つあるメインフックは最大30度の角度まで広げることが出来る。👆上の画像のように100mを超えるモノパイルをクレーンのみで建て起こすことが可能。これは使えそうな発想かも。

 船によって様々ですが、一般的に大型起重機船のフックはあまり角度をつけることが出来ない仕様になっており、角度をつけ過ぎるとシーブと呼ばれる滑車からワイヤーが外れる恐れやシーブ付近でワイヤーが設備に干渉したりする恐れがある。

 大型起重機船がフック同士をディスタンスビームと呼ばれる黄色い鋼材で連結しているのは、吊り上げた時にフックが内側や外側に向かって角度が付かないよう抑制するために取り付けている。

 

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世界のサルベージ オペレーション

来島海峡で水深60mの海底に沈んだ全長約170mの「白虎」引き揚げをはじめ、日本国内でも多くのサルベージオペレーションがおこなわれています。
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SEP起重機船 世界ランキング 2023

世界的な再生可能エネルギーへの転換に伴い、洋上風力発電の建設は勢いを増すばかり。
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