調査中の「フリーマントル・ハイウェイ」でEV車が再発火
オランダ沖を航行中に船倉から火災が発生した自動車運搬船「フリーマントル・ハイウェイ」(FREMANTLE HIGHWAY)。火災の鎮火確認後にオランダのエームスハーヴェンへ入港し、貨物として積まれていた車両の搬出や事故調査がおこなわれていますが、船内から搬出したEV車(Electric Vehicle、電気自動車)が再発火したという。
「フリーマントル・ハイウェイ」には、新車約3,800台が積まれており、そのうち約500台がEV車。報道されている情報では、約2,700台が火災による損傷を受けている。
船内から搬出したEV車が再発火する様子
EV車とされる車両を搬出する動画では、船内からランプウェイまで移動させた車両をクレーンで吊り上げて鋼製のボックス内へ。しばらくすると車体から煙が発生し、水をかけたりもしていましたが最終的には黒いシートでボックスを覆い、酸素供給を遮断して鎮火させているような感じでした。
再発火が起きた車両は、メルセデスのEQEと呼ばれる電気自動車で車両価格は1,200万円以上。「フリーマントル・ハイウェイ」の船内には高級車が多く積まれていたそうなので、火災により焼失した車両約2,700台の平均価格帯が1,000万くらいだとすると、車両の被害額だけでおよそ270億円になる計算。恐ろしい。
EV車が出火原因という予測は疑問視されている
火災事故の発生当初から火災原因がEV車の可能性があるという推測はありました。ですが、大前提として、火災原因を含む事故調査は現在進行形でおこなわれており、まだ断定されていないので不明。
しかし、EV車が大火災を引き起こしたという説を疑問視する声が上がっているという。
船体外板の火災による影響は上半分に集中
出典:YouTube | Eemskrant
出典:YouTube | TSN AgriCultureVideo’s
火災が起きた「フリーマントル・ハイウェイ」の船体外板を見ると火災による影響で塗装が剥がれているのは船体の上半分に集中していることが分かる。報道されている情報では、上層の貨物エリアに積まれていた車両に火災が集中しており、下層エリアの車両はほぼ無傷であったという。そして、下層エリアに積まれていたのは大部分がEV車。
この点だけでEV車が火災原因では無いという裏付けにはならないので、火災原因の特定については調査結果を待つしかない。ただ、何らかの原因で火災が発生した場合、電気自動車に搭載されているリチウムイオン電池が起因して鎮火が困難であることや、再発火のリスクが指摘されているのは事実。そのため、火災発生後にEV車が延焼したことで火災の規模が大きくなった可能性は高い。
事故調査などがおこなわれている「フリーマントル・ハイウェイ」ですが、エームスハーヴェンに停泊できるのは10月中旬までの予定になっているという。クルーズ船の入港予定により係船場所を明け渡す必要があり、その後どういった動きになるのかは不明。
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