日本海事協会が電気自動車海上輸送の安全対策を支援

日本海事協会が電気自動車海上輸送の安全対策を支援 船舶
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日本海事協会が電気自動車海上輸送の安全対策を支援

2023年8月21日、日本海事協会(ClassNK)は、電気自動車の海上輸送の安全対策を支援するとして「電気自動車安全輸送ガイドライン」および「電気自動車火災対策検討リスト」を公開しました。

つい最近、オランダ沖を航行中に船倉から火災が発生した自動車運搬船「フリーマントル・ハイウェイ」(FREMANTLE HIGHWAY)には3,783台の車両が積載されており、そのうち498台が電気自動車でした。火災原因については調査中なので出火原因が電気自動車であるかどうかはまだ分かっていませんが、世界的に電気自動車の登録台数は指数関数的に増加しており、それに伴って船舶による電気自動車の輸送機会が増加傾向にあるという。

ガソリン燃料の車両と電気自動車を同じ船舶で輸送している以上、火災原因が何であれ延焼する可能性を考えると電気自動車火災に対する安全対策は重要といえる。

電気自動車のリチウムイオン電池で火災が発生した場合、鎮火が困難であることや、再発火のリスクが指摘されており、IMO(International Maritime Organization:国際海事機関)や旗国において安全規制が検討される一方、自動車運搬船の運航に携わる船社などは、規制の導入に先行して自主的に火災安全対策に取り組んでおり、日本海事協会(ClassNK)は、電気自動車の海上輸送の安全性強化の一助とすべく、「電気自動車安全輸送ガイドライン」および「電気自動車火災対策検討リスト」を公開したという。

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国際条約による新たな規制の制定には長い期間を要する

船舶の火災安全対策はSOLAS条約において規定されており、これまで大規模な事故が発生するたびに改正が重ねられてきました。ですが、国際条約による新たな規制の制定には長い期間を要する。

今回、日本海事協会から公開された「電気自動車安全輸送ガイドライン」および「電気自動車火災対策検討リスト」については、規制の導入に先行しておこなわれている火災安全対策を構築し、電気自動車の海上輸送の安全性強化支援するというもの。

「電気自動車安全輸送ガイドライン」は、文献調査をはじめ専門家、運航者、メーカーなど関係者へのヒアリングを基に、電気自動車火災の特徴と対応指針の解説を取りまとめたもので、電気自動車輸送のための追加の火災安全対策が講じられた船舶であることを示す船級符号の付記(ノーテーション)の要件も規定している。

「電気自動車火災対策検討リスト」では、火災対策の新規検討、また関連技術開発の参考となるよう、早期発見、抑制、延焼防止、消火のための約40件の個別対策について、効果とメリットのみならず、課題や留意事項を紹介している。

現時点で電気自動車の火災対策として確定的な消火装置等は実用化されていないという。そのため、ガイドラインでは特定設備の設置要求を規定せず、各社が電気自動車の安全輸送のために自主的に構築した火災対策をガイドラインの考え方に沿って検証し、有効な対策を講じた船舶にNotationを付与するそうです。

SOLAS条約とは?

SOLAS条約とは、海上における人命の安全のための国際条約(International Convention for the Safety of Life at Sea)のことで、船舶の安全性確保のための規則を定める多国間条約。

1912年のタイタニック号沈没事故を契機として、船舶の安全確保のため救命艇や無線装置の装備等の規則を定める条約が1914年に締結。これが初のSOLAS条約であるが、第一次世界大戦の影響で発効には至らなかった。その後30回以上にわたり改正され、2001年のアメリカ同時多発テロ事件を契機に2002年に改正(改正SOLAS条約)、テロ対策として港湾関連施設についても侵入防止等の保安対策を強化することが義務付けられた。

リンク先 国土交通省|1974年の海上における人命の安全のための国際条約(SOLAS条約)

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