台湾の大彰化2b&4で最初のサクションバケットジャケット設置完了

2025年4月11日、Ørstedは台湾の「Greater Changhua 2b and 4 offshore wind farms」(大彰化2b&4洋上風力発電所)で最初のサクションバケットジャケット設置が完了したことを発表しました。
Ørstedが事業を進めている「Greater Changhua 2b and 4 offshore wind farms」は、台湾中西部の彰化県沖に出力14MWの風力タービン66基を設置する計画で総発電容量は920MW。風力タービン基礎にはサクションバケットジャケットを採用しており、今回設置を完了したのは66基のうち最初の1基目。
設置作業をおこなったのは、Heerema Marine Contractorsが所有する5,000トン吊りクレーン船「Aegir」。重量約2,300トンのサクションバケットジャケット設置に向けて、クレーン船「Aegir」は2024年に2番ホイストの吊り上げ能力を2,000トンから3,200トンへ、そして揚程を110mに増強するアップグレードを完了。Ørstedが公開した設置作業の画像を見ると、アップグレードを実施した2番ホイストを使用して施工をおこなっているのが確認できます。メインフックを使用すると吊荷とブームが近接するため、吊り上げ可能なアウトリーチまでブームを倒すと揚程が厳しくなりそうなので、施工にはアップグレードが必要だったことが理解できます。
クレーン船「Aegir」は、2025年3月に同じ「Greater Changhua 2b and 4 offshore wind farms」で重量3,260トンの洋上変電所トップサイド設置をおこなっています。
環境に配慮した杭打ち不要のサクションバケットジャケット


「Greater Changhua 2b and 4 offshore wind farms」で採用している風力タービン基礎のサクションバケットジャケットについて、Ørstedはアジア太平洋地域で初の施工事例であり、環境に配慮した杭打ち不要の技術による大規模洋上風力発電プロジェクトであると述べています。
サクションバケットジャケット基礎は海底の撹乱および設置時の騒音をほぼゼロに抑え、風力発電所の耐用年数終了時には完全に撤去可能。また、海洋生物を誘引する効果もあり、Ørstedの環境保護と生態系との共存への取り組みを支えているという。


間もなく14MWの風力タービン設置に着手

Ørstedはサクションバケットジャケット設置完了を発表したLinkedIn投稿の中で、間もなく14MWの風力タービン設置に着手することを明らかにしています。
単機出力14MWというSiemens GamesaのSG 14-236 DDを設置するのは、CadelerのM-class1隻目となる2,600トン吊りSEP起重機船「Wind Maker」。先月の2025年3月に台中港へ到着しており、一度の航海で14MW風力タービン4基分の部材を自船に搭載して設置場所と拠点港を往復しながら設置作業を進める予定。
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