巨大バイブロハンマー「CAPE VLT-640 Triple」納入準備完了
CAPE Hollandは、「Moray West」で使用する予定となっている巨大バイブロハンマー「CAPE VLT-640 Triple」の負荷試験が完了し、納入への準備が整ったことを明らかにしました。
CAPE Hollandは、スコットランド沖で建設が進められている「Moray West offshore wind farm」でモノパイル設置の施工を請け負っているBoskalisからバイブロハンマー「CAPE VLT-640 Triple」納入を受注。設置をおこなう洋上風力タービンおよび洋上変電所基礎となるモノパイルは、上部の直径が7.5m、底部の直径が最大10m、重量は約2,000トン。
2023年10月にロイド船級協会の認証プロセスに基づく負荷試験がおこなわれ、3,245トンの試験荷重をクリア。最大2,400トンのモノパイルを揚重することが出来ると認証されたそうです。逆算するとバイブロ本体や付属品、キャプタイヤなどを含めた重量は550トンということになる。
CAPE Hollandの特設ページで更新情報を掲載
出典:CAPE Holland
オランダのゲーネマイデン(Genemuiden)にあるBreman Machineryで製造したバイブロハンマー「CAPE VLT-640 Triple」は、台船に搭載してアムステルダムへ輸送されたという。巨大バイブロを使用する予定の4,000トン吊りクレーン船「Bokalift 2」は、すでに「Moray West」でモノパイルの打設を開始しており、この先どのようにして「Bokalift 2」のもとへ届けられるのかは不明です。
CAPE Hollandのウェブサイトには ”THE ROAD TO MORAY WEST OFFSHORE WIND FARM”(MORAY WEST洋上風力への道)という特設ページが作られており、プロジェクトの進行に応じて更新情報が掲載されるようです。
リンク先 CAPE Holland | THE ROAD TO MORAY WEST OFFSHORE WIND FARM
特設ページの中で興味深い情報がひとつありました。それは、DEMEに「CAPE VLT-640 Quad」を納入するというもの。CAPE Hollandの「CAPE VLT-640 Triple」とDieseko Groupの「GIANT 2000」は、どちらも偏心モーメント2,000kgm程度でほぼ同じ。ですが、「CAPE VLT-640 Quad」の偏心モーメントは、2,560kgmで2つのバイブロを軽く凌駕しています。
「CAPE VLT-640 Quad」を使用するのは、DEMEの5,000トン吊りクレーン船「Orion」の予定。こちらは、2023年の夏前からアメリカ東海岸で「Vineyard Wind 1」のモノパイル設置などをおこなっており、AIS情報によるとまだ作業中のようでした。「CAPE VLT-640 Quad」も「Moray West」で使用される予定。こちらの施工にも要注目。
「Moray West offshore wind farm」の概要
「Moray West offshore wind farm」は、EDP Renewables と Engie の合弁会社 Ocean Winds および Ignitis Group によって開発されており、Siemens Gamesa「SG 14-222 DD」60基、洋上変電所2基の設置を計画している。変電所2基を含むすべての基礎は、モノパイルを採用。総発電容量は882MW、風力タービンの単機出力はパワーブーストにより14.7MWへ引き上げられる予定。
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