北九州響灘洋上ウインドファーム 起工式開催
2023年4月25日、福岡県北九州市沖の響灘に建設予定の「北九州響灘洋上ウインドファーム」で工事の安全を祈願する起工式が開催されました。建設工事は先月の3月13日に開始されており、2025年度の営業運転開始に向けて本格的に建設工事が始まるものと思われる。
「北九州響灘洋上ウインドファーム」の事業者ひびきウインドエナジー㈱は、電源開発㈱(40%)、九電みらいエナジー(30%)、北拓㈱(10%)、西部ガス㈱(10%)、㈱九電工(10%)で構成されており、2017年4月17日に設立。
単機出力、接続容量ともに国内最大の洋上風力発電所
「北九州響灘洋上ウインドファーム」で設置予定の風力タービンはデンマークに本拠を置くタービンメーカーVestasの「V174-9.5 MW」。25基の設置が予定されており、接続容量は220MW。日本国内で商用規模の運転中または建設している洋上風力発電所の中で発電容量・単機出力ともに最大。
名称 | 発電容量 | 単機出力 | 風車基礎 | 運転開始 |
秋田港洋上風力発電所 | 54.6MW | 4.2MW | 着床式、モノパイル | 2023年1月 |
能代港洋上風力発電所 | 84MW | 4.2MW | 着床式、モノパイル | 2022年12月 |
石狩湾新港洋上風力発電所 | 112MW | 8MW | 着床式、ジャケット | 2023年12月(予定) |
五島市沖洋上風力発電所 | 16.8MW | 2.1MW | 浮体式、スパー | 2024年1月(予定) |
北九州響灘洋上ウインドファーム | 220MW | 9.5MW | 着床式、ジャケット | 2025年度(予定) |
風力タービンの単機出力については、ひびきウインドエナジーのウェブページに掲載されている情報だと9.6MWとのこと。ただ、日本海事協会(ClassNK)のウィンドファーム認証登録簿に記載されている風車型式とVestasに掲載されている風力タービン受注時のプレスリリースは「V174-9.5 MW」になっている。「V174-9.5 MW」の型式で9.6MWの出力が想定されているということなんでしょうか。
風車基礎および海洋工事は五洋・日鉄エンジが受注
2022年12月12日に公表された各種工事の契約締結先では、海洋工事とジャケット式基礎の製作について五洋・日鉄エンジニアリング特定建設工事共同企業体と契約している。ジャケット式の風車基礎の製作は、石狩湾新港洋上風力発電事業と同様に日鉄エンジニアリングの若松工場で製作する予定。
さらに、五洋建設の掲載記事によるとジャケット式の風車基礎及び風力タービンの設置には五洋建設が保有するSEP起重機船が使用される予定。該当するSEP起重機船は、800トン吊りの「CP-8001」と1,600トン吊りの「CP-16001」。「CP-8001」の現在地は日本最南端の沖ノ鳥島。建造中の「CP-16001」はまだインドネシアのバタム島におり、完成の公式アナウンスは聞こえてこない。
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