ジョーンズ法に対応した「BargeRack」、DNVのAIP取得
2024年3月15日、石油掘削リグや洋上風力設置船などの設計を手掛けるFriede & Goldmanは、革新的な「BargeRack」システムがDNV GL Noble Denton Marine Warranty SurveyによるAIP(Approval in Principle:原則承認)を取得したと発表。
「BargeRack」システムは、ジョーンズ法に準拠していないSEP起重機船での施工に使用。風力タービン部材を積んだ輸送台船をSEP起重機船に搭載した装置でそのままリフトアップするという豪快なシステム。輸送台船は海面から引き上げられることによって波浪による船体動揺が完全に無くなり、SEP船の自船甲板に部材を積んで運搬した時と同じ状況を作り出すことができる。
「BargeRack」の動作状況を紹介する動画の中で、輸送台船をリフトアップする装置の能力について重量7,300トンを持ち上げる設計で、20MWの風力タービン部材輸送が可能であると述べています。
すでに運用されているほとんどの風力タービン設置船およびバージに大幅な変更を加えず適合するように設計されているという高い互換性も特徴の1つ。
2023年にFriede & Goldmanは、ノルウェーのOIM Windとともに3,200トン吊りクレーンを搭載した新型SEP船「FO-146」の設計を発表しています。
「BargeRack」システムの主な特徴
出典:Friede and Goldman
他にも、リフトアップする前に輸送台船を係留するシステムなどがあるようです。輸送台船自体をリフトアップするという効果は絶大ですが、相当な重量である巨大な風力タービン部材を積んだ台船を持ち上げるのは本当に大丈夫なんでしょうか。船底から台船を持ち上げるということは、持ち上げる時に接する位置で座礁しているのと同じ状態になり、接点には大きな荷重がかかる。既存のバージの使用にこだわらず、風力タービン部材を積んでリフトアップする前提で建造または補強を施した台船であれば問題無さそう。
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