台湾の雲林洋上風力で2024年の設置作業スタート
2024年3月22日、台湾で建設が進められている雲林洋上風力発電所(Yunlin offshore wind farm)で2024年の設置作業がスタートしたことをSkyborn RenewablesはLinkedInへの投稿で明らかにしました。再開した作業では今季初となるモノパイル設置が完了したという。
投稿の中でモノパイル基礎、アレイ間ケーブル、風力タービンなど全ての設置作業を2024年中に完了させるため、全力で取り組んでいると述べています。
残りの施工数量を考えると厳しい目標と言えそうですが、無理という訳ではない。今シーズンから清水建設のSEP船「BLUE WIND」も加わるので、作業が順調に進むのを願うばかり。
2023年末時点で設置済はモノパイル45基、風力タービン34基
雲林洋上風力発電所では台湾中西部の雲林県沖8~17kmに着床式のモノパイル基礎、Siemens Gamesa製の8MW風力タービン「SG 8.0-167」80基を設置する計画で、総発電容量は640MW。
2019年5月に着工し、モノパイルと風力タービンはそれぞれ2020年12月と2021年4月に最初の設置がおこなわれていますが、新型コロナウィルスによる人材や資機材調達の遅れ、モノパイルに関する事故や台風などの天候による影響などいろいろな要因が重なり、現在では数年単位の工程遅延状態になっています。
Yunneng Wind Powerのプレスリリース(2023年11月23日掲載)によると、2023年末時点で設置が完了しているのは、モノパイル基礎45基、アレイ間ケーブル26本、エクスポートケーブル12本、そして8MW風力タービン34基。
既設モノパイルを一部撤去するという情報
気になるのは、すでに設置済のモノパイルを一部撤去するという情報。事業者からの情報ではなく、Jumbo Offshoreの受注情報によるものなので施工時期や数量については不明ですが、一部の既設モノパイルについて海底面の3m下から撤去が予定されているという。
モノパイル撤去作業を施工する予定の自航式重量物運搬船「Fairplayer」は現在シンガポールに停泊していました。
DP2自航式重量物運搬船「FAIRPLAYER」
船名 | FAIRPLAYER |
総トン数 | 15,027トン |
載貨重量トン | 10,700トン |
搭載クレーン | 900トン×2 |
長さ | 144.1m |
幅 | 26.7m |
深さ | 14.1m |
建造年 | 2008年 |
清水建設のSEP起重機船「BLUE WIND」台湾到着
清水建設のSEP起重機船「BLUE WIND」は、2023年9月に雲林洋上風力でのモノパイル輸送・設置について契約したことが発表されています。当時の発表内容だと施工開始時期は2024年2月からで期間は200日が見込まれているということでしたが、「BLUE WIND」が台湾の台中港へ入港したのは3月3日。どの時点から契約期間開始になるのか不明ですが、日本を出港した2月23日の200日後は9月10日、台中港入港からだと9月19日。
「BLUE WIND」はモノパイル設置について施工を請け負っているようなので、順調に工程が進めば9月中に「BLUE WIND」が担当する範囲のモノパイル設置が完了するということになりそう。AISで確認すると今季1基目のモノパイル設置をおこなったのは、NPCCが所有する3,810トン吊りクレーン船「DLS 4200」のようなので、モノパイル設置をおこなう作業船は複数手配されており、全80基のモノパイル設置が9月で終わるという訳ではないかもしれません。
モノパイル設置以降の工程を考えると、9月と言わず少しでも前倒しで工程を進めたいでしょうね。
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