気になっていた台湾の高雄港に出張中の日本最大4,100トン吊り起重機船「海翔」ですが、「GREEN JADE」建造のお手伝いをしていたようです。
Youtubeにアップされている動画などを確認すると大きな部材のクレーン設置は完了している模様。
自航式4,000トン吊りクレーン船「GREEN JADE」
台湾南部の高雄市にある台湾国際造船(CSBC,China Ship Building Corporation)高雄造船所で建造中の自航式4,000トン吊りクレーン船「GREEN JADE」。発注したのはCSBC(台湾)とDEMEOffshore(ベルギー)の合弁会社CDWE(CSBC-DEME Wind Engineering)。
建造開始は2020年9月。当初は2022年末に引き渡し予定だったが、2023年初頭にズレ込んでいる。
2022年4月に進水式が行われ、その時はまだクレーンの搭載は行われていなかった。
「GREEN JADE」はDP3性能のクレーン船。台湾で初めて建造される4,000トン吊りクレーンを搭載した大型自航式クレーン船。日本よりも進んでいる台湾で洋上風力発電設備の設置に使用される予定。
GREEN JADE | FIRST TAIWAN-BUILT OFFSHORE HEAVY LIFT DP3 INSTALLATION VESSEL
(GREEN JADE | 台湾で建造された最初のオフショア大型リフト DP3 設置船)
台船環海風電工程公司 (cdwe.com.tw)
船名 | GREEN JADE 環海翡翠 |
吊上能力 | 4,000トン吊 |
長さ | 216.5m |
幅 | 49.0m |
深さ | 16.8m |
積載重量 | 60,000トン |
建造年 | 2023年初頭 予定 (建造開始:2020年9月) |
建造場所 | CSBC’s shipyard in Kaohsiung:台湾 |
所有会社 | CDWE (CSBC:台湾とDEMEOffshore:ベルギーの合弁会社) |
高雄港での海翔
Youtubeにアップされていた4,100トン吊り起重機船「海翔」による「GREEN JADE」のクレーン設置動画。
動画では「GREEN JADE」に設置されるクレーンのジブ受け台設置の様子が撮影されてます。
運搬船によって運び込まれる各種クレーン部材。クレーンはHuisman製。
現在の状況
画像を見ると、クレーンの設置位置が異常に高いような気がします。クレーン旋回時の吊り能力は相当下がりそうです。
ジブの設置が行われたのが8月5日。ワイヤーリービング、フックブロック取付、各種性能検査など完成には、まだ時間がかかりそうですが、大きな部材の設置は終わっているように見えます。
「海翔」のAIS情報は無いので、船団として日本から行っている曳船兼揚錨船「第3神好丸」のAIS情報を検索。
まだ高雄港にいますね。「海翔」にロングサイドしているような位置なので「海翔」もまだ高雄港にいると思われる。帰りの半潜水バージを待っているのか、まだ作業が残っているのかは不明。
にしても今回の「海翔」遠征の経緯には中国と台湾の関係にも原因があるんでしょうか。普通に考えると、中国から「海翔」クラスの起重機船を呼ぶ方が断然、効率的な気がします。配船スケジュールが合わなかった可能性はありますが。
8月に入って台湾付近で中国軍による大規模な軍事演習が行われており、違う緊張感の中で作業していたことを考えると、無事に「海翔」を含む作業に関係する方が帰国できることを願っています。
よく読まれている記事