韓国沖でLNG運搬船とRo-Ro船が衝突
2024年2月17日午前4時20分、韓国南部のYeoseodoから南西約6kmの位置でLNG運搬船「SM JEJU LNG1」とRo-Ro船「KS HERMES」が衝突する事故が発生。
事故の一報を受けた韓国の海上保安庁は直ちに巡視船とヘリコプターを現場へ派遣し、LNG運搬船「SM JEJU LNG1」に乗船していた19人とRo-Ro船「KS HERMES」の58人の合わせて77人全員を救助。救助作業は迅速におこなわれ、4時間以内に完了したという。
衝突事故は、LNG運搬船「SM JEJU LNG1」の右舷中央にRo-Ro船「KS HERMES」の船首が突っ込む状態で発生し、両船とも船体に大きな損傷を受けた。特にLNG運搬船「SM JEJU LNG1」の船体損傷は激しく、衝突により船体が海面付近まで破損しているため浸水していると思われますが、事故後の調査で沈没する可能性は低いことが確認されたという。
事故当時、LNG運搬船「SM JEJU LNG1」は積荷を積んでおらず空船だったということですが、衝突直後の映像では警報音が鳴り響く中、白い煙とガスが噴出する音が聞こえていました。非常に恐ろしい。
Ro-Ro船「KS HERMES」元は日本で建造の「新北王丸」
Ro-Ro船「KS HERMES」は現在韓国船籍となっていますが、1999年に建造された建造場所は日本の今治造船。北星海運が1999年から2014年8月まで所有しており、建造当時は「新北王丸」という船名で日本船籍でしたが2014年9月から韓国船籍に変更され、船名も「KS HERMES」に。
韓国船級協会(Korean Register)に登録されているVessel Register(船舶登録簿)の情報を照会すると、現在の所有および運航会社は、J.L. Ocean Co., Ltd.。
Ro-Ro船「KS HERMES」に定員超過の疑い
事故当時、LNG運搬船「SM JEJU LNG1」は空船だったということですが、一方でRo-Ro船「KS HERMES」は車両やコンテナなどを積載した状態。そして、報道されている情報では定員以上の乗船者が確認され、定員超過の疑いがあるそうです。
Ro-Ro船「KS HERMES」の定員超過が事故原因に関係しているのかは不明、事故原因を特定するための調査が進められているという。
Ro-Ro船「KS HERMES」
船名 | KS HERMES |
総トン数 | 5,901トン |
載貨重量トン | 4,382トン |
長さ | 136.21m |
幅 | 21.4m |
船籍 | 韓国 |
建造場所 | 今治造船(日本) |
建造年 | 1999年 |
LNG運搬船「SM JEJU LNG1」
船名 | SM JEJU LNG1 |
総トン数 | 9,370トン |
載貨重量トン | 5,857トン |
長さ | 97m |
幅 | 22m |
船籍 | パナマ |
建造場所 | サムスン重工業 (韓国) |
建造年 | 2019年 |
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