MENCKが最大打撃エネルギー6,250kJの油圧ハンマーを発表
2024年9月24日、Acteon Group傘下のMENCKはドイツのハンブルグで開催されたWindEnergy Hamburgにおいて最新の油圧ハンマー「MHU 6000W」を発表しました。洋上再生可能エネルギー部門の高まる需要を満たすように設計された最先端の油圧ハンマー「MHU 6000W」は、厳しい環境でより大きく重たい杭の設置が可能で、洋上風力プロジェクトに新たな可能性をもたらすという。
このたびMENCKから発表された油圧ハンマー「MHU 6000W」は、最大直径9mの次世代モノパイル打設が可能。そして、驚くべきことに打撃エネルギーは 200kJ から最大6,250kJ という性能。比類のないパワーと効率性を提供し、オフショア設備のパフォーマンスにおける新しいベンチマークを確立するとプレスリリースの中で説明されています。
MENCKの製品ラインナップで最大の油圧ハンマーは「MHU 4400S」、最大打撃エネルギーは4,400kJ。他社を含めた世界最大の油圧ハンマーは、IQIPの「IQ6」だと思いますが、こちらの打撃エネルギーは出力100%で5,500kJ、一定期間のみ最大120%で打設可能となっており、その時の最大打撃エネルギーは6,600kJ。
油圧ハンマー「MHU 6000W」には、従来の油圧ハンマーと比較して稼働時間を200%以上延長する多数の技術改善が組み込まれているという説明がありました。「IQ6」の瞬間的な6,600kJよりも、連続打設が可能な「MHU 6000W」の6,250kJの方が施工性能としては上回っている様な気がします。どちらもスゴイけど・・。
中国でも打撃エネルギー6,000kJ超の大型油圧ハンマー開発が進められているようですが、どうなったんだろう。
効率的で環境に配慮したノイズ低減ユニット
油圧ハンマー「MHU 6000W」にノイズ低減ユニットのMENCK Noise Reduction Unit(MNRU)を組み込むことで騒音や杭への疲労、運用コストを大幅に削減し、幅広いプロジェクト要件に最適化することが出来るそうです。
Acteon Groupはプレスリリースの中で、洋上風力の設置場所が従来のエリアを超えて拡大するにつれて未調査の土質条件など新たな課題に直面しているとし、油圧ハンマー「MHU 6000W」はそれらの課題に正面から取り組むように設計されていると述べている。
油圧ハンマー本体のみで重量700トン
Acteon GroupがYouTubeへ投稿しているWindEnergy Hamburgでの油圧ハンマー「MHU 6000W」をプレゼンテーションする動画によると、油圧ハンマーの本体重量は700トン。直径9mのモノパイル打設時にスリープなどを装着した状態だと重量は1,295トンになるという。
油圧ハンマーの長さは、スリーブ装着時で29.4m、それにノイズ低減ユニットのMNRUを追加すると33.4m。
想像を絶する重量ですが、施工するクレーン船の能力的にはモノパイルの方が重量的には重たいのでパイルグリッパーを使用して建て込みするとすれば、モノパイルを取り扱える時点で油圧ハンマーの重量は施工的に問題なさそう。
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