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中国で打撃エネルギー6,000kJ超の大型油圧ハンマー開発へ

中国で打撃エネルギー6,000kJ超の大型油圧ハンマー開発へ 建設機械・機器

 中国の江蘇龍源振華海洋工程有限公司が関連企業、大学、研究機関と連携し超大型油圧ハンマーの開発に向けたプロジェクトの協力協定に調印。開発する油圧ハンマーは、直径9m以上のモノパイル打設が可能で打撃エネルギー6,000kJ以上。

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中国で打撃エネルギー6,000kJ超の大型油圧ハンマー開発へ

 2023年3月24日、振華重工の子会社にあたる江蘇龍源振華海洋工程有限公司は、産学連携による超大型油圧ハンマー開発プロジェクトの協力協定に調印。開発を行う油圧ハンマーは、直径9m以上のモノパイル打設が可能で打撃エネルギーは驚異の6,000kJ以上。さらなる進化を続ける風力タービンの大型化を見据えた次世代洋上風力の建設には欠かせない打設機材になりそう。

 洋上風力タービンの大型化に伴い施工を行うSEP起重機船などのクレーン船も大型化してきていますが、大きなクレーンだけでは巨大化した風力タービンを設置することは出来ない。洋上風力の着床式と呼ばれる基礎の中で一般的なモノパイルもまた大型化してきており、海底地盤に打ち込むために使用する油圧ハンマーも必然的な流れの中でより強力な打撃エネルギーが必要となる。

 中国のニュース記事では、今後の風力タービンはコスト削減と効率向上のためにますます大容量化が進み、基礎杭は大口径化・長大化され打設深度も深くなっていく事が予想される。洋上風力発電プロジェクトにおいて中核機材である油圧ハンマーのグレードアップは実現しなければならないとしている。

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世界の大型油圧ハンマー

 世界の洋上風力や石油プラットフォームなどクレーン船をはじめ海に関する記事を書き始めて数年になりますが、モノパイルなどの杭打設に使用される油圧ハンマーのほとんどが「MENCK」又は「IQIP」によるもの。

 「MENCK」、「IQIP」がリリースしている油圧ハンマーのラインナップで最大のものを調べてみました。

MENCK

出典:Acteon Group

 2003年にActeon Groupに買収され傘下に入ったドイツの企業「MENCK」。油圧ハンマーのラインナップを見ると、なかなかお目にかかれない大きさのものが並んでいます。

 中でも最大のものは、「MHU 4400S」。最大打撃エネルギーは4,400kJ

 打撃エネルギーの単位として使用されている ”J”(ジュール) は、エネルギーや熱量を表す単位として使用されますが、”1ジュール” は標準重力加速度の下で 102.0g の物体を1m持ち上げる時の仕事に相当する。なので 4,400kJ はその440万倍、448.8トンの物体を1m持ち上げるエネルギーという事になります。とんでもない力でモノパイルが打ち込まれていることが理解できますね。

IQIP

出典:IQIP

 IHCとして広く知られているオランダの企業ですが、経緯はよく分かりませんが現在の社名は「IQIP」になっているようです。

 油圧ハンマーのラインナップは、従来のSシリーズに加えてIQシリーズという洋上風力発電設備設置用に開発されたものが登場している。他にもSWシリーズと呼ばれる作動油の代わりに淡水または塩水を媒体として使用する環境に優しい油圧ハンマーもある。

 リリースされている油圧ハンマーで最大のものは、IQシリーズの「IQ6」。出力100%で打撃エネルギーは5,500kJ。100%の出力で連続的に杭打設が可能ですが、土質条件に応じて一定期間にわたり最大120%の出力で打設する事もできる。最大120%の打撃エネルギーは6,600kJ

 連続での打撃は難しいようですが、中国が開発しようとしている打撃エネルギー6,000kJ以上という目標を達成してしまっていますね。

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