2,500トンの巨大騒音軽減システム「NMS-T-10000」

2,500トンの巨大騒音軽減システム「NMS-T-10000」 洋上風力発電
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重量2,500トンの巨大騒音軽減システム「NMS-T-10000」

Heerema Marine Contractorsは、IQIPと共同で開発を進めている騒音軽減システム(Noise Mitigation System)「NMS-T-10000」をオランダのフリッシンゲンにあるHeerema Fabrication Groupの拠点で建造中であることを明らかにしました。

見るからに巨大な騒音軽減システム「NMS-T-10000」の重量は約2,500トン、高さ50m、テンプレートベースの幅45m。直径10mまでのモノパイルに対応し、打設時に発生する水中騒音を軽減させるという効果に加えて、モノパイルの鉛直性を保持するという装置。IQIPの「NMS-8000」および「NMS-8800」の騒音軽減技術を基本コンセプトに派生したものだという。

「NMS-T-10000」を建造する画像では上部セクションの取り付けがおこなわれており、今後は全体の試運転と動作確認という段階へ進んでいくそうです。完成後はドイツの「He Dreiht offshore wind farm」でおこなわれるモノパイル打設に向けて最初に配備される予定。

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騒音軽減システム「NMS-T-10000」

騒音軽減システム「NMS-T-10000」には15dBの打設騒音軽減という効果に加えて、外周に取り付けられた6つの脚のような部材により、最大傾斜3度までの平準化に対応するレベリング機能が備えられている。

騒音軽減の仕組みとしては、モノパイルを挿入する中央部分の排水をおこない、空気の障壁をつくることで周囲の水中へ騒音が伝わらないようにするというもの。なので、全体を水没させて使用することはできないようで、高さ50mに対して使用可能水深は42mとなっている。さらに、IQIPのウェブサイトで掲載されている情報によると、外周部分にマルチサイズの気泡を注入するバブルシステムも備えており、この効率的な方法によって水中騒音を最大98~100%軽減すると述べている。

水中騒音についてとはいえ驚異的な効果を謳っていますが、逆に海面上の騒音は増加しそうな気がするのは気のせいでしょうか。そのためかどうかは分かりませんが、「NMS-T-10000」の初配備が予定されている「He Dreiht offshore wind farm」のモノパイル打設では、「PULSE」(Piling Under Limited Stress Equipment)という打設時の負荷と騒音を低減する装置を組み合わせた油圧ハンマー「IQ6」が使用されるそうです。油圧ハンマー「IQ6」は最大6,600kJという打撃エネルギーを発揮する世界最大の油圧ハンマー。

【IQIPの製品「PULSE」などを使用した「Orion」によるArcadis Ost 1のモノパイル打設について】

【油圧ハンマー「IQ6」に関する記事】

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「He Dreiht offshore wind farm」の概要

「He Dreiht offshore wind farm」の概要
  • 設置位置:ドイツ ボルクム島の北西約90km、ヘルゴラントの西約110km、水深37.7~40.6m
  • 発電容量:960MW
  • 風力タービン:Vestas V236-15.0 MW、64基、ハブ高さ142m
  • 風車基礎:着床式、モノパイル
  • 運転開始予定:2025年
型式V236-15.0 MW
出力15MW
ブレード長さ115.5m
ローター直径236m
受風面積43,742m2
カットイン風速3m/s
カットアウト風速31m/s
発電電力量80GWh /年
設計寿命30年
V236-15.0 MW
出典:Vestas
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【動画】フリッシンゲンで建造中の「NMS-T-10000」

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