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ノルウェーの資源調査会社PGSが洋上風力サイトの特性評価契約締結

ノルウェーの資源調査会社PGSが洋上風力サイトの特性評価契約締結 洋上風力発電
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ノルウェーの資源調査会社PGSが洋上風力サイトの特性評価契約締結

PGSの掲載記事【2024年2月13日掲載】

PGS Awarded Offshore Wind Site Characterization Contract

(PGS が洋上風力発電所の特性評価契約を締結)

https://www.pgs.com/company/investor-relations/ir-news-stock-announcements/pgs-awarded-offshore-wind-site-characterization-contract/

2024年2月13日、ノルウェーのオスロに本社を置く資源調査会社PGS(Petroleum Geo-Services)はヨーロッパの洋上風力発電サイトにおいて特性評価を実施する契約を締結したと発表。2024年7月上旬から物理探査船を動員する予定で、契約期間は合計約2ヵ月。洋上風力発電サイトの名称や場所などは明らかにされていない。

契約したプロジェクトでは、PGSの超高解像度3D (UHR3D,ultra-high-resolution 3D) ストリーマでデータ取得がおこなわれ、従来の取得システムと比較して、より浅いターゲットに対してより詳細な地下データが提供されるという。

PGSは、およそ1年前にあたる2023年1月に自社として初の洋上風力発電サイトを対象とした超高解像度風力発電サイト特性評価プロジェクトを受注しています。

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3次元物理探査船について

3次元物理探査船は、効率よく海底資源の物理探査を行うために考案され、海底下の地質構造を立体的に調査することで石油・天然ガスの存在やポテンシャル(有望性)を評価するために利用されてきました。

3次元物理探査船によるデータ取得のイメージ
出典:NYK Line

 具体的な調査方法としては、船尾に設置されたエアガンと呼ばれる装置から海底に向けて音波を発し、海底面や地層の境界に当たって反射した音波を、船から引っ張るケーブル(ストリーマーケーブル)に設置したセンサーで受振し、地下データを取得するというもの。取得したデータを処理することで、地下構造を立体的に解析することが出来る。

超高解像度3D Pケーブルシステム

3次元物理探査船は、石油や天然ガスを対象とした海洋資源探査の分野で広く用いられてきましたが、従来型の3次元探査システムでは、沿岸部など水深の浅い海域での適用が難しいという問題がありました。

洋上風力発電サイトを対象としたプロジェクトでは、沿岸部での超高解像度3D Pケーブルシステムが使用される予定で、従来型の3次元探査システムに比べ軽量・小型・高分解能という特徴があり、水深の浅い海域での適用が可能。

PGSのウェブサイト掲載情報によると、従来の洋上風力発電サイトでの調査は2D探査によるデータ取得が行われていましたが、表層地質が複雑な場合に確実な把握が困難で再度データ取得が必要になるなど、解析時間やコストが増加するリスクがあるそうです。その点、超高解像度3D Pケーブルシステムでは少しコストは高くなる可能性がありますが、洋上風車設置に必要な地質条件の把握がより正確になるという。

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PGSは11隻の探査船を保有、日本とも深い関係

PGSのウェブサイトに掲載されている探査船は11隻。

意外にも物理探査船の建造や移籍などを巡っては、これまでに日本とも深い関係にあるようです。

一時期、日本政府の公船として運用されていた「Ramform Victory」

1998年に建造された「Ramform Victory」は日本政府が購入し、現在の独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が2007年から2019年まで運用していました。日本で運用していた時の船名は「資源」。政府公船として運用した理由は、日中中間線上のガス田開発における該当海域の探査実施に対して中国の艦艇による妨害行為がおこなわれていた為で、国際法によって保護される政府公船とすることを決めたという。その後、2019年に再びPGSへ戻り、現在は船名も元の「Ramform Victory」へ変更されています。

物理探査船「たんさ」は以前PGSが運用していた

船名たんさ
総トン数13,782トン
長さ102.2m
40.0m
定員70人
速力18ノット(最大)
建造年2009年
物理探査船「たんさ」
出典:Wikipedia | IikaJzuchiN – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによる

経産省所管のJOGMECが所有する物理探査船「たんさ」は2009年に建造された後、2019年までPGSが「Ramform Sterling」として所有・運用をおこなっていました。

2013年以降に建造したPGSの物理探査船4隻はすべて日本の造船所で建造

PGSが所有する探査船の中で、2013年以降に建造した4隻はすべて日本の三菱重工長崎造船所で建造されています。

船名長さ深さ建造年
Ramform Titan104.2m70m14.2m2013年
Ramform Atlas104.2m70m14.2m2014年
Ramform Tethys104.2m70m14.2m2016年
Ramform Hyperion104.2m70m14.2m2017年
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世界のサルベージ オペレーション

来島海峡で水深60mの海底に沈んだ全長約170mの「白虎」引き揚げをはじめ、日本国内でも多くのサルベージオペレーションがおこなわれています。
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SEP起重機船 世界ランキング 2023

世界的な再生可能エネルギーへの転換に伴い、洋上風力発電の建設は勢いを増すばかり。
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