風速毎秒約40m、波高10mの嵐がフランス沖の洋上風力襲来
LE PARC ÉOLIEN EN MER DE FÉCAMP FACE AUX TEMPÊTES
(嵐に直面するフェカン洋上風力発電所)
https://parc-eolien-en-mer-de-fecamp.fr/2023/11/27/le-parc-eolien-en-mer-de-fecamp-face-aux-tempetes/
2023年11月27日、フランス北西部の沖合で建設中の「Fécamp offshore wind farm」を台風並みの嵐が襲来していたことが明らかにされました。
公開された情報によると、「Fécamp offshore wind farm」を襲った嵐は11月初旬にヨーロッパで多くの被害が出た「Ciarán」と「Domingos」。風速は時速140km(秒速38.9m)以上、波高は10m以上に達したという。
嵐が近づいてもギリギリまで発電
出典:Parc éolien en mer de Fécamp
「Fécamp offshore wind farm」で採用されている風車基礎はモノパイルではなく着床式としては少し珍しい重力式というタイプ。形状は円錐形で底の部分が直径31m、高さは48m~54m、そして重量は1基当たり5,000トン。さらに設置をおこなった後は基礎のバラスト用として内部に砂利を充填しています。
2023年7月には1基目の風力タービン設置が発表され、10月時点で設置が計画されている71基のうち3分の1にあたる27基の設置が完了。
モノパイルのように海底地盤深くへ突き刺して固定している訳ではなく、重量を重たくしているとはいえ海底面に置いている状態の重力式構造の洋上風力タービン。強風や高い波を受けても風力タービンは大丈夫なのか少し心配になりますが、全く問題はないようです。
掲載記事の中で、嵐が接近して風速が90km/h(25m/s)に達すると自動で保護システムが作動し、風速110km/h(30.6m/s)まで運転を継続したあと運転を停止。極端な気象条件に直面した「Fécamp offshore wind farm」ですが、統合された先進技術によって驚くべき効率性を実証したと記事の中で説明されています。
嵐でも発電可能な風速であればギリギリまで発電し、それ以上の風速になれば自動で停止状態に制御。風車の機能としては当たり前のことなのかもしれませんが、素人目から見るとスゴイことのように思えます。ただ、風速を測定する機器が故障していたら、ブレードを制御する装置が動かなかったらなど、もしもの不具合を想像すると少し怖い気も・・。実際は何重にも安全対策が施されていると思うので大丈夫だと思いますけど。
「Fécamp offshore wind farm」に関する記事
「Fécamp offshore wind farm」の概要
Siemens Gamesa の7MW風力タービン「SWT-7.0-154」71基で構成される「Fécamp offshore wind farm」の総発電容量は約500MW。2023年から設置した風力タービンについて運転を開始していき2024年冬の完全稼働を目指している。発電した電力は77万人以上の年間消費電力量に相当。
ヨーロッパの洋上風力発電所を襲った嵐
これまでにも爆弾低気圧「Ciarán」と「Domingos」の影響を受けたヨーロッパの洋上風力発電所の情報をまとめてみました。
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