「ONE」も紅海経由の運航一時停止を発表
PREVENTIVE MEASURES FOR NAVIGATION IN THE RED SEA
(紅海航行の予防措置)
https://www.one-line.com/en/news/preventive-measures-navigation-red-sea
2023年12月19日、ONE(Ocean Network Express)は紅海地域とアデン湾における最近の治安悪化に対応し、一時的な安全対策としてスエズ運河と紅海から船舶航路の変更を発表しました。
紅海・スエズ運河を経由する航路の一時停止に伴い、代わりに喜望峰を通航する航路へ変更するか、航行を一時停止して安全な場所へ移動させる方針。紅海周辺海域の状況を引き続き注意深く監視し、船員、船舶、および積荷にとって安全であると判断した場合には、スエズ運河を通航する航路でサービスを再開する予定だという。
ONEは今回の発表のなかで、決断した紅海経由の運航一時停止についてサービス利用者に対する不便を申し訳ないとした上で、船員の継続的な安全を確保するために講じた予防措置に理解を求めていました。直近の紅海付近で起きている事件を報道で知っている人であれば理解できると思われる。世界の貨物輸送を支える船の乗組員の方は、これまでも責任感を持って貨物輸送に携わっていたと思いますが、悪意のある攻撃に対して命を懸けてまで業務を遂行する必要はない。乗組員の方、それぞれに家族や大切な人がいることを考えると今回の決断に反対する人はいないと思う。
「Maersk」「MSC」はすでに紅海航路を喜望峰航路へ変更
MSC PALATIUM III Incident in Red Sea – Rerouting Suez Traffic to Cape
(紅海でのMSC PALATIUM III事件 – スエズ交通のルートをケープに変更)
(2023年12月15日、コンテナ船MSC PALATIUM IIIが協定世界時9時37分頃、メッシーナ線へのサブチャーターで紅海を航行中、攻撃を受けた。 乗組員全員が負傷の報告はなく無事だが、本船は限定的な火災被害を受け、運航を停止している。)
(この事件のため、船員の命と安全を守るため、紅海航路の安全が確保されるまで、MSC船はスエズ運河の東行きと西行きを通航しません。 すでに一部のサービスは喜望峰を経由するようルート変更される予定です。)
https://www.msc.com/en/newsroom/customer-advisories/2023/december/msc-palatium-iii-incident-in-red-sea—rerouting-suez-traffic-to-cape
紅海付近で起きた商船を標的にした事件
- 2023年
11月19日イエメン沖で自動車運搬「GALAXY LEADER」拿捕 - 11月25日インド洋でコンテナ船「CMA CGM SYMI」に対して無人ドローンによる攻撃
- 11月26日エデン湾でケミカルタンカー「CENTRAL PARK」一時拿捕
- 12月3日バブ・エル・マンデブ海峡付近で貨物船3隻への攻撃
ばら積み貨物船「UNITY EXPLORER」、「AOM SOPHIE II」、コンテナ船「NUMBER 9」の3隻がフーシ派による攻撃を受けるも損傷は軽微
- 12月11日イエメン沖の紅海でケミカルタンカー「STRINDA」へのミサイル攻撃
- 12月14日ソコトラ島の東約400海里でばら積み貨物船「RUEN」乗っ取り
ばら積み貨物船「RUEN」がソコトラ島東 約400海里のアラビア海を航行中、英国海運貿易業務(UKMTO)にメーデーを送信。複数の不審者が乗船し、乗っ取られたとみられている。
- 12月14日バブ・エル・マンデブ海峡付近で「MAERSK GIBRALTAR」へのミサイル攻撃
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