ジャケット基礎杭打設時のパイルラン
風力タービンの土台となるジャケットの基礎杭打設中に、パイルランと呼ばれる杭が地盤の中で落下する現象が起きた事故。
事故が起きたのは台湾の彰化県沖10kmに位置する彰化洋上風力発電施設。日立製の5.2MW風力タービン21基で構成され、ジャケット式基礎を採用。
ジャケットと基礎杭の設置を行なったのは、Heerema Marine Contractorsが所有する5,000トン吊りのクレーンとDP3を搭載した自航式クレーン船「Aegir」。
パイルランとは?
パイルランとは油圧ハンマーを使用した杭の打設中に起こる現象。打設位置に鋼管杭を建て込んで海底地盤に下げていくと自重で表層に沈み込みます、これを自沈と言いますが、そのあと油圧ハンマーで打ち下げていく時に支持層より上に自沈するような柔らかい層がある場合、硬い層を油圧ハンマーによる打撃で打ち抜くと鋼管杭が柔らかい層を自沈して地盤の中を落下していく現象が起こる、これがパイルラン。鋼管杭が制御出来ない状態になるので非常に危険な現象といえる。
台湾の「Aegir」で起きた事故では、数十メートルの落差でパイルランが発生し、鋼管杭が落下したことで油圧ハンマーの吊具が破損。鋼管杭と共に油圧ハンマーが海面際まで落下。幸いなことに事故による負傷者は出なかったようです。
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