「South Fork Wind」最初の11MW風力タービン設置

「South Fork Wind」最初の11MW風力タービン設置 洋上風力発電
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「South Fork Wind」最初の11MW風力タービン設置

South Fork Windの掲載記事【2023年11月21日掲載】

New York’s First Offshore Wind Project Marks Historic Milestone in Offshore Construction

(ニューヨーク初の洋上風力発電プロジェクトが洋上建設の歴史的なマイルストーンを達成)

https://southforkwind.com/news/2023/11/new-yorks-first-offshore-wind-project-marks-historic-milestone-in-offshore-construction

2023年11月21日、Ørsted と Eversource の合弁事業によりニューヨーク州ロングアイランド島東の沖合に建設されている「South Fork Wind」で、最初の11MW風力タービンが設置されました。「South Fork Wind」のウェブサイトに掲載された記事では、ニューヨーク初の洋上風力発電プロジェクトによる歴史的なマイルストーン達成を伝えるとともに、女性初のニューヨーク州知事Kathleen Hochul氏(キャスリーン・ホウクル)のコメントをはじめ関係者21人のコメントを掲載しています。ほぼ同じような内容の関係者コメントを21件も掲載するあたりに大きなプロジェクトのしがらみを少し感じます。

Siemens Gamesaの11MW風力タービン「SG 11.0-200 DD」を設置したのは、Van Oord が所有する1,600トン吊りSEP起重機船「AEOLUS」。2014年にドイツの造船所で建造され、2018年に1度目のアップグレードをおこないクレーン能力を900トンから1,600トンへ増強。さらに2023年にはクレーンブームを133mに延長する2度目のアップグレードがおこなわれています。ブーム延長による揚程増強は「South Fork Wind」で11MWの風力タービンを設置するため。

SEP起重機船「AEOLUS」はブーム延長が完了した後、「South Fork Wind」の施工前にフランスのSaint-Brieucでジャケットおよび基礎杭の作業設置をおこない、完了させてからアメリカへ向かったようです。

 SEP起重機船「AEOLUS」の概要

船名AEOLUS
クレーン能力1,600トン
長さ139.4m
44.46m
深さ10.12m
レグ長さ81m
建造年2014年
Van OordのSEP船「Aeolus」アップグレード完了
SEP起重機船「Aeolus」
出典:Van Oord
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運搬台船から部材を吊り取る作業については特に記載なし

アメリカ国内での洋上風力タービン設置作業ではジョーンズ法により、他国船籍、他国建造のSEP船に港内でタービン部材を積み込むことができない。

 アメリカのジョーンズ法による洋上風力建設への影響

アメリカ国内の地点間における国内輸送(内航)をおこなう船舶を限定するジョーンズ法と呼ばれる法律。その要件には米国船籍、米国人配乗、米国人所有に加えて、他国には無い米国建造という要件が含まれており、洋上風力発電所建設時の大きな障壁となっている

ジョーンズ法の影響を受ける風力タービン設置作業では、SEP船など他国建造の設置船甲板に部材を積み込みして拠点港から設置場所へ運ぶことが出来ないため、ジョーンズ法に準拠した船舶で運搬する方法以外にも様々な対策が考えられている。

アメリカのマサチューセッツ沖で建設が進められている洋上風力発電所「Vineyard Wind 1」では、輸送台船に積んだタービン部材を沖合でSEP船のクレーンにより吊り取る作業に関して様々な対策を講じていました。しかし、「South Fork Wind」では特に大きな対策が取られている様子はなく、その為なのか設置に関する掲載記事でもその点については触れられていません。

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「South Fork Wind」の概要

「South Fork Wind」の概要
  • 設置位置:ニューヨーク州 モントーク岬から東へ35マイル(56km)
  • 発電容量:132MW
  • 風力タービン:Siemens Gamesa SG 11.0-200 DD、11MW、12基
  • 風車基礎:着床式、モノパイル
  • 運転開始予定:2023年末から2024年初め

「South Fork Wind」は、Ørsted と Eversource の合弁事業によるもので、比率は50:50。2019年2月に両社は合弁事業の提携を締結し、「South Fork Wind」の他にも「REVOLUTION WIND」(700MW)の計画を進めている。

 11MW風力タービン「SG 11.0-200 DD」の概要

製造メーカーSiemens Gamesa
Renewable Energy
製品名SG 11.0-200 DD
出力11MW
ローター直径200m
ブレード長さ97m
掃引面積31,400m2
11MW風力タービン「SG 11.0-200 DD」
出典:Siemens Gamesa Renewable Energy

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