貨物船が風力タービンに衝突 その2
続いても風力タービンに貨物船が衝突した事故。衝突したのは全長190mの「JULIETTA D」。先程の貨物船「PETRA L」と大きく違うのは船体の大きさ。「PETRA L」の全長が74m、総トン数1,162トンだったのに対して「JULIETTA D」の全長は190m、総トン数24,196トン。
事故当時「JULIETTA D」は航行していた訳ではなく、オランダのエイマイデン沖32kmにある錨泊地で停泊していました。
事故が起きたのは、2022年1月22日 午前11時30分頃。嵐による強風と波の影響で走錨しはじめ、近くに停泊していたタンカーに衝突。タンカー側に大きな損傷はありませんでしたが、「JULIETTA D」は機関室付近の船体が破損し、そこから浸水。
航行不能に陥った「JULIETTA D」は沿岸警備隊に救助を要請。乗組員18人全員がヘリコプターにより救助されましたが、無人になり漂流する「JULIETTA D」はオランダの海岸へ向かって流され、建設中のHollandse Kust Zuid洋上風力発電所で変電所基礎のジャケットと風力タービン基礎に衝突。
出典:Allseas
変電所基礎のジャケットは損傷が限定的であることが確認され、衝突から2か月後の2023年3月にトップサイドの設置がおこなわれました。一方で風力タービン基礎は、引き続き上部の設置をおこなった場合、風力タービンの健全性が確保できないとして2024年に撤去されることが決定しています。
出典:Vattenfall
Hollandse Kust Zuid洋上風力発電所は、2021年6月に建設が開始され、Siemens Gamesaの11MW風力タービン140基を設置する予定でしたが、損傷した1基は計画から除外され、139基の設置作業が2023年6月に完了。2023年末までに運転開始が予定されている。
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