2022年9月21日、Siemens Gamesaが台湾の台中港にある洋上向けナセル工場を現状の3倍以上に拡張する工事に着手。ナセル工場は2020年4月に建設が開始され、2021年8月には台湾で組み立てられた初めての洋上向けナセルを Greater Changhua 1 & 2a project に納入している。
台湾のナセル工場を3倍に拡張
2021年、Siemens Gamesaは台湾中西部の台中港に敷地面積約3万平方メートルの洋上向けナセル組立工場を建設。そして、このたび工場の拡張工事が始まったようです。洋上向けのナセルを組み立てる工場を増設し、敷地面積は3倍の約9万平方メートルになるという。
Tripling in Taiwan: Siemens Gamesa to massively expand offshore nacelle manufacturing activities
(台湾での3倍増:Siemens Gamesa、オフショアナセル製造活動を大幅に拡大)
Tripling in Taiwan: Siemens Gamesa to massively expand offshore nacelle manufacturing activities
Siemens Gamesaのナセル組立工場は、台湾海峡に面した台中港にある。多くの洋上風力プロジェクトが台湾の西側で展開されており、積込を行う台中港の岸壁へのアクセスも容易なので立地条件的に最高な場所。
航空写真でナセル組立工場を見ると敷地面積3万平方メートルに対して工場建屋の面積は約6分の1くらいですね。建屋以外の部分はナセル、ハブのストックエリアになっています。着工セレモニーで発表された拡張後のレイアウトを見ると、現況の敷地面積3万平方メートル全体に渡り、工場建屋が拡張されています。
敷地面積は3万平米から3倍の9万平米に拡がり、工場建屋は現況の4倍から5倍の大きさに拡張。
SG 14-222 DDを生産
台湾で建設中の洋上風力発電所Greater Changhua 1 & 2a projectへ納入している洋上風力タービンは SG 8.0-167 DD でしたが、工場拡張後に生産される予定のタービンはHai Long offshore wind向けの SG 14-222 DD 。こちらの組立は2024年第2四半期に開始される予定。
彰化県の沖合35〜50kmに建設されている約900MW(605MW+295MW)の洋上風力発電所。2022年8月に111基のジャケット基礎設置完了。上部の風車設置は1,500トン吊りSEP起重機船「Seajack Scylla」により行われていて、2022年末までに完成予定。
彰化県の沖合約45~55km、水深約35~55mに建設予定で、設備容量1,044MWの洋上風力発電所。Hai Long 2A(300MW)、2B(232MW)、3(512MW)の3エリアで構成されている。
拡張後の台中ナセル工場で生産される SG 14-222 DD ナセルが使用される予定。
15カ月の海外研修で人材育成
やっぱり最終的には人が一番大事。こういうところを抑えている会社は信頼できますね。
2022年10月頃から台湾人従業員の海外研修を行うそうです。最初に予定されているのは社員6人と時間給従業員15人の21人。最初の3ヵ月はデンマークのタービン工場で様々なタービン製造工程について学び、その後ドイツにあるナセル工場で1年間、現地のナセル職人と一緒に働き実地訓練を受けるそうです。
15カ月の海外研修。期間の長さで本気度が分かる気がします。ちょっとやそっとで覚えられるような技術や知識じゃないんでしょうね。工場拡張というハード面だけではなく、人材というソフト面の充実を漏れなく行うところに感心。
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