韓国初のSEP船「Hyundai Frontier」
ジブ固定式の起重機船では世界最大の「Hyundai-10000」を保有している韓国ですが、洋上風力設置をおこなうSEP起重機船は今回誕生した「Hyundai Frontier」が国内初になるようです。
Hyundai Engineering & Constructionに掲載されているプレスリリースによると、2023年6月13日、韓国南東部にある慶尚南道の統営市でSEP起重機船「Hyundai Frontier」の出港式が開催されたという。今後は、7月から済州島の北西部で建設している「Jeju Hallim Offshore Wind farm」に配備され、風力タービン設置をおこなう予定。「Jeju Hallim Offshore Wind farm」は5.56MW風力タービン18基で構成され、発電容量は100MW。
このSEP船の完成時期が不明なので、結構前から完成していたのでしょうか。普通に考えると完成したばかりのはずですが、完成して1ヶ月も満たない内に洋上での風力タービン設置を実施するとなると習熟訓練する期間も短くなってしまいます。かなり特殊な作業船なので無事に作業が進めばいいのですが、少し不安な気も。
ジブ固定式の起重機船としては世界最大となる10,000トン吊り起重機船「Hyundai-10000」
「Hyundai Frontier」の仕様
韓国初のSEP起重機船「Hyundai Frontier」に搭載されているクレーン能力は、1,200トン。残念ながら、LEC(Leg Encircling Crane)ではない。クレーンポストの設置位置は船体左右方向の中心からずらしているように見えるので、ど真ん中に置いてあるよりは少しマシなレベル。
全長85m、幅41m、深さ6.5mでレグ長さは最大100mまで延長可能という記載ですが、現状の長さは不明。最大揚程は水面上130mで、10MWクラスの風力タービン設置が可能という。DPSは搭載されており、階級やスラスターなどの仕様は不明。掲載記事には、風力タービン部材の積み込み・運搬・設置という一連の作業が可能と記載されていますが、自航式かどうかはよくわかりません。ただ、現時点でAIS情報を検索しても引っ掛からないので非自航式なのかも。
船名 | Hyundai Frontier |
クレーン能力 | 1,200トン |
ブーム長さ | 121m |
最大揚程 | 水面上から130m |
長さ | 85m |
幅 | 41m |
深さ | 6.5m |
レグ長さ | 最大100m (現状不明) |
DPS | 搭載 (階級は不明) |
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