デンマークとドイツを結ぶ世界最長の沈埋トンネルを施工する特殊船


出典:DEME Group
DEME Groupは、デンマークとドイツを結ぶ世界最長の沈埋トンネル「Fehmarnbelt fixed link」建設で沈埋函設置向けに設計された特殊船「Ivy」が最終試運転の段階に入ったことを発表しました。最終試運転と洋上試験を完了した後、さらに沈埋函設置作業に向けた微調整などがおこなわれる予定だという。
沈埋函設置をおこなう特殊船「Ivy」の船体寸法は長さ100m、幅45m。揚重能力は8,000トン。
船名 | Ivy |
長さ | 100m |
幅 | 45m |
揚重能力 | 8,000トン |
ウインチ台数 | 66台 |
乗組員数 | 22人 |
以上がDEME GroupのLinkedIn投稿を要約した内容ですが、疑問に感じた点を調べるともう少し詳細が分かりました。疑問に感じたのは設置する予定の沈埋函が標準函で長さ217mに対して特殊船「Ivy」の幅が45mしかないという点。
特殊船「Ivy」は、2つのポンツーンを水面上で白い橋桁のような部材で連結した形状。よく見ると、同じ設備が2つ並んでいるようなので、2隻を抱き合わせた状態になっているみたい。初見では1隻にしか見えなかった。2隻がピッタリ引っ付いて船縁の境目も分からない・・。4股の曳航索に違和感を感じていましたが、使用している意味が理解できました。
別の画像を確認すると「Ivy 1」「Ivy 2」という船名も。なので施工時は、2隻を長さ217mの沈埋函両端付近に配置して設置作業をおこなうようです。
「Ivy 1」「Ivy 2」は、ポーランドの造船所CRISTで建造された後、「Fehmarnbelt tunnel project」のデンマーク側にある沈埋函の造函施設へ曳航されたみたい。同プロジェクトでマウンドを施工する多目的台船「MAYA」も同じ造船所で建造されています。

出典:YouTube | GospodarkaMorska.pl
動画リンク先 YouTube | Kolos z CRIST SA popłynął budować najdłuższy zatapialny tunel na świecie
標準函は長さ217m、重量73,500トン
「Fehmarnbelt tunnel project」で設置する沈埋函は、標準函79函と異形函10函の合わせて89函。標準函の長さは217m、高さ9m、重量73,500トン。製作段階では、約24mのセグメント9つで構成されているそうです。
沈埋函設置場所の浚渫後、マウンドを施工する多目的台船「MAYA」の命名式がおこなわれた2024年7月に投稿した記事でも紹介しましたが、「Fehmarnbelt tunnel project」の沈埋函製作はデンマーク側にある巨大な造函施設で進められています。
デンマークとドイツを結ぶ「Fehmarnbelt fixed link」



「Fehmarnbelt tunnel project」で建造している「Fehmarnbelt fixed link」は、デンマークのロラン島にあるRødbyhavnとドイツのフェーマルン島の間にあるフェーマルン・ベルト海峡を横断する約18kmの沈埋式海底トンネル。完成すると、世界最長の沈埋トンネルとなり、鉄道道路併用トンネルとしても世界最長になるという。
幅42m、高さ9mという断面の沈埋函内部は、片側2車線の車両用道路と鉄道用の線路、保守作業用の区画で構成。
「Fehmarnbelt fixed link」は、2029年に開通予定。

【動画】施工概要の紹介映像
動画内のアニメーションでは造函施設を出発する段階で沈埋函に「Ivy 1」「Ivy 2」をセットした状態で曳航しています。現地据付時の沈埋函誘導治具や既設函を利用した引き寄せ設備など色んな工夫が施されているようです。
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