ドイツ沖合の北海でDolWin kappa offshore platformの設置が開始されたようです。設置を行うのはAllseasが所有する「Pioneering Spirit」。ジャケット設置、杭打設、トップサイド設置という一連の作業を行う予定。JLSを使用してのジャケット設置は初めて。
「Pioneering Spirit」による設置開始
つい先日、設置するジャケット、杭、トップサイドを積んだAllseasが所有する運搬台船「Iron Lady」がスペイン カディス(Cádiz)からロッテルダムへ向かっていましたが、到着後、間髪入れず積み替え・設置という流れのようです。
設置を行う作業船は予定通り「Pioneering Spirit」。
トップサイドの設置はTLS(トップサイドリフトシステム)を使用。ジャケットは重量的に搭載クレーンでは無理なのでJLS(ジャケットリフトシステム)を使用。
JLSを使用してのジャケット撤去はこれまでに何回か実績がありますが、新規設置というのは今回が初めて。
そして、少し気になっていたのが杭の打設を「Pioneering Spirit」が行うのかという点。
今回のジャケット設置画像を見るとジャケット設置後に打設する杭も「Pioneering Spirit」に積まれてました。
ジャケット設置
JLSと5,000トン吊りクレーンの間に積まれた杭が確認できます。
拡大して確認すると油圧ハンマーも積み込まれているので「Pioneering Spirit」で打設すると思われる。
杭打設、トップサイド設置
現状の記事で設置が確認できるのはジャケットのみ。
杭打設とトップサイド設置の記事はまだありませんでした。
設置している横の設備は何だろう?
先程のジャケット設置を行う画像に写っている半潜水式リグみたいなもの。
調べると、「DolWin beta」と呼ばれる洋上変電設備。
今回設置される「DolWin kappa offshore platform」は既存インフラを効率的に使用するため「DolWin beta」と接続されるようです。
2012年6月から中東のドバイで建造が始まり、半潜水式運搬船「MIGHTY SERVANT 1」に載せられて、ノルウェーへ運搬。最終的な建造が行われた後、2015年に設置。
ちょっと驚きましたが、「DolWin beta」は着底しているみたい。見た目の形状から勝手に浮いてるもんだと思ってました。
DolWin beta utilizes an innovative self-installing gravity-based structure (GBS) concept, whereby the platform is slowly ballasted down to the seabed by filling the six columns with water, which will in the coming weeks be completely replaced by gravel to permanently secure the platform.
(DolWin betaは、革新的な自動設置式重力ベース構造 (GBS) のコンセプトを利用しています。これにより、プラットフォームは 6 本の柱に水を満たしてゆっくりと海底に沈下します。今後数週間で水は完全に砂利に置き換えられ、プラットフォームが恒久的に固定されます。)
ABB installs world’s most powerful offshore converter platform in the North Sea
ジャケットにトップサイドを載せる方法と半潜水式リグのような形状のものを沈めて着底させる方法。どっちが効率的なんでしょう?
鋼材使用量を考えるとジャケット方式の方が低コストで製作出来そうですが、設置時に大型クレーン船が必要。半潜水式リグ方式だと製作コスト増ですが、設置はボートのみで可能。一長一短ありそうな気がします。お好きな方でどうぞ。
最後に、「DolWin beta」製作、運搬の動画。
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