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73年間で最も少ない降水量、水不足の影響で渋滞するパナマ運河

73年間で最も少ない降水量、水不足の影響で渋滞するパナマ運河 船舶
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記録が残る1950年以来、最も降水量の少ない10月

Panama Canal Authorityの掲載記事【2023年10月31日掲載】

The driest month of October since 1950

(1950年以来最も乾燥した10月)

https://pancanal.com/en/the-driest-month-of-october-since-1950/

2023年10月31日、Panama Canal Authority(パナマ運河庁)は記録が残されている73年前の1950年以来、最も降水量の少ない10月になったことを明らかにした。2023年10月の降水量は例年に比べて41%減少し、パナマ運河の閘門に水を供給する主要水源であるガトゥン湖はこの時期として前例のないレベルまで降下しているという。

パナマ運河があるパナマ共和国は北米と南米の両大陸をむすぶ接点にあり、気候は熱帯性気候で日本のような四季は無く、雨季と乾季に分かれている。12月半ばから4月までが乾季、5月から12月半ばまでが雨季となっており、10月は降水量の多い雨季にあたる。

雨季の終わりまで2カ月を切り、運河流域の水資源供給元でもあるガトゥン湖の水量減少に対してパナマ運河庁とパナマ政府は、人口の50%以上へ供給する最低限の水量確保とパナマ運河の運営に加え、来たる乾季という大きな課題に直面している。

今後、乾季の終わりころにあたる2024年3月から4月頃には記録的な低水位となる可能性があり、船舶のパナマ運河通航に関してさらなる影響が懸念されている。

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パナマ運河の節水対策、水の再利用

水不足という現況に対して何もしていない訳ではなく、パナマ運河ではいくつかの節水対策が講じられています。その中のひとつが水の再利用。

パナマックス閘門では、cross-filling(交差充填)と呼ばれる方法で節水がおこなわれています。それは、1つの閘室で排水された水を隣の閘室で再利用するというもので、1日当たり5回分の消費量にあたる節水につながるという。さらに、船舶サイズが許す範囲で2隻の船が同じ閘室に入って同時に閘門を通過するという調整もおこなわれているそうです。

他にも、ネオパナマックス閘門では横に設けられた池によって使用した水の再利用がおこなわれています。

ネオパナマックス閘門
出典:Panama Canal Authority
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通航隻数の制限

パナマ運河を船舶が通航するたびに多くの水が使用されるため、通航する船舶の隻数を制限する取り組みも実施されています。2023年10月31日に掲載されたパナマ運河の記事では、雨季にも関わらず降水量が少ないという現況を踏まえ、これまでの隻数制限からさらに通航する隻数を制限することが発表されました。

通常の状態であれば1日に約36隻の船舶が通航許可されていたようですが、降水量の少ない現況および今後の乾季シーズンへ向けて通航隻数を段階的に制限。公表されている利用可能な通航許可隻数は、11月3日~7日は25隻、以降段階的に隻数が制限され、2024年2月1日時点では18隻になる予定。通常状態から比べると半分の隻数しかパナマ運河を通航できなくなるようです。

2023年10月31日、パナマ運河庁が発表した利用可能な許可隻数
  • 2023年11月3~7日 25隻
  • 2023年11月8~30日 24隻
  • 2023年12月1~31日 22隻
  • 2024年1月1~31日 20隻
  • 2024年2月1~ 18隻
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パナマ運河通航の許可枠に6億円

パナマ運河を通航すると思われる多くの停泊船

1日の隻数制限の中で利用可能な許可枠はオークション形式で予約することが出来るという。予約無しでも通航できるようですが、11月に入り通航するまでの待機日数は徐々に増加しているようです。入札によって予約枠を獲得すると、先に到着していた船舶を抜かしてパナマ運河を通航することができる。

報道されている情報によると、11月8日におこなわれたオークションで予約枠に397万5千ドル、日本円に換算すると約6億円の入札があったという。入札したのは日本のENEOSグループで、通航するのは全長230mのLPG運搬船「Sunny Bright」。「Sunny Bright」の目的地はアメリカのテキサス州ヒューストン、11月4日に太平洋側の停泊地に到着したようですが、6億円を支払って獲得したのは11月15日の予約枠。パナマ運河の通航をあきらめて代替ルートで目的地を目指すという情報もありましたが、AIS情報を確認すると11月14日時点では太平洋側の停泊地にいるので11月15日にパナマ運河を通航するものと思われる。

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6割以上が予約無しで通航

閘門予約している船舶予約無しの船舶
ネオパナマックス13隻8隻
パナマックス32隻67隻
合計45隻75隻
パナマ運河通過待ちの船舶数(2023年11月14日時点)
出典:Panama Canal Authority | Vessels in queue for transit

オークションによって予約枠を獲得する船もいますが、全体の割合としては予約無しで通航する船舶の方が多いようです。ただ、近いうちにより厳しい隻数制限が段階的におこなわれると、予約枠によって締め出される船舶は増えるとみられており、代替ルートを選択する船舶が多くなる可能性があるという。

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