積載台数7,000台、商船三井のLNG燃料自動車運搬船引き渡し
出典：Shin Kurushima Dockyard
2024年3月13日、商船三井が手掛けるLNG燃料自動車運搬船「BLUE」シリーズの1番船「CERULEAN ACE」が竣工し、愛媛県今治市にある新来島どっく大西工場で引き渡しがおこなわれました。今後は、マツダ向けをはじめとする完成車輸送に従事するという。
商船三井は、現時点で新造LNG燃料自動車運搬船14隻の投入を決定しており、その中でも「BLUE」シリーズと銘打った国内建造船11隻のうち「CERULEAN ACE」は記念すべき1隻目。LNG燃料を使用することで、従来の燃料油に比べて二酸化炭素（CO2）の排出を約25～30％、硫黄酸化物（SOx）の排出を約98％、窒素酸化物（NOx）の排出を約85％削減することが出来るそうです。
LNG燃料自動車運搬船「BLUE」シリーズ
出典：Mitsui O.S.K.Lines
LNG（Liquefied Natural Gas：液化天然ガス）を主燃料とする自動車運搬船の新シリーズ名「BLUE」および新船体カラーデザインは2023年1月に決定・発表がおこなわれました。
新シリーズ名「BLUE（ブルー）」は、商船三井グループの企業理念『青い海から人々の毎日を支え、豊かな未来をひらきます』を体現し、『地球・空・海・木々がもつ様々な“青”の美しさを未来へ繋いでいきたい』という想いが込められているという。1番船の船名「CERULEAN ACE」という名前もシリーズ名「BLUE」から着想を得て、スペイン語で青空・空色を意味する”CERULEAN”を冠しているそうです。
LNG燃料自動車運搬船「CERULEAN ACE」には様々な特徴があるようですが、なかでも気になったのは”貨物艙内にAIカメラ設置”しているという点。自動車運搬船での火災については、火災の規模拡大を防ぐという面から早期発見が有効な対策の一つと言える。貨物艙内へのAIカメラ設置による早期検知力の向上は効果が期待できそう。
- エアロダイナミクスデザイン導入（船首最上部傾斜構造）：風圧抵抗を20％軽減
- 船幅を従来の32mから38ｍに拡幅：積載台数を約6,400台から約7,000台にアップ
- 貨物艙内にAIカメラ設置：映像を瞬時に判断し直ちに乗組員へ異常を伝達(火災早期検知力の飛躍的向上)
- 衛星通信サービスStarlink導入：高速で低遅延接続が可能な衛星通信サービスにより乗組員の福利厚生拡充
- 憩いの場となる第三の場所「IKOI」導入：乗組員の働きやすさを考慮(居室でも職場でもない、第三の場所)
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LNG燃料自動車運搬船「CERULEAN ACE」
| 船名 | CERULEAN ACE |
| 総トン数 | 73,132トン |
| 載貨重量トン | 19,889トン |
| 車両積載能力 | 7,169台 |
| 長さ | 199.96ｍ |
| 幅 | 38ｍ |
| 船籍 | パナマ |
| 建造場所 | 新来島どっく |
| 建造年 | 2024年3月 |
出典：Shin Kurushima Dockyard
