中国の山東省 烟台市にあるYantai CIMC Raffles OffshoreでVan OordのメガSEP起重機船「Boreas」の起工式が行われました。完成予定は2024年。
メガSEP起重機船「Boreas」の起工式
2022年12月27日、中国の山東省 烟台市にあるYantai CIMC Raffles Offshore(烟台中集来福士海洋工程有限公司)でSEP起重機船「Boreas」の起工式(keel laying ceremony)が行われました。
3,000トン以上の容量を持つHuisman製クレーンが搭載される予定の「Boreas」は、Van Oordにとって重要な戦略的投資のひとつ。完成すると25MWという巨大な次世代風車の輸送と設置が可能になる。
起工式(keel laying ceremony)では、キールが配置される台座の上に銀貨が置かれ、船の幸運と安全が祈願された。この伝統的な風習は古く、古代ローマ帝国のローマ人はマストの下に銀貨を置いたそうです。
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完成・引き渡しは2024年の予定。
SEP起重機船「Boreas」の概要
船名 | Boreas | Voltaire |
クレーン能力 | 3,000トン以上 | 3,200トン |
長さ | 176m | 169.3m |
幅 | 63m | 60m |
深さ | 13.2m | 14.6m |
レグ長さ | 127.4m | 130m |
作業水深 | 最大80m | 最大80m |
載荷重量トン | 20,000トン以上 | 21,500トン |
SEP起重機船「Boreas」は、長さ176m、幅63m、深さ13.2m、搭載されるクレーンはHuisman製で、吊り上げ能力3,000トン以上。レグ長さは、127.4m。最大作業水深は80m。
先日完成したJan De Nulの「Voltaire」とほぼ船体寸法は似たような感じになってます。
大きく違うのは、「Boreas」がメタノール燃料船であるという点。効果は、従来の化石燃料を使用する方法に比べてCO2排出量を78%以上削減。
さらに、高度なアクティブエミッション制御技術(選択的触媒還元)によりNOx排出量を抑え、5,000kWhのバッテリーパック設置で燃料消費量をさらに削減できるそうです。
現段階で広く普及していない次世代燃料を船の燃料として選択することは供給や価格面などでリスクが高そうですが、逆にそれだけVan Oordの環境負荷低減に対する熱意が感じられます。
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